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一次創作SSを書いてみたその5

こんばんはーいくいです。
兎も角ともかく死刑くらぶの終焉です。
ここまでご覧くださった方へ、言葉はいりません。
ここまでご覧くださった方へ、言葉はいりません。

どうかフィナーレとエピローグのエチュードをどうぞお楽しみくださいませ。


タイトル:私刑クラブ【いん】

制作時間:





 すべては、些細なできごとだった。
 どれぐらい些細なことだって?
 それは単なるボタンの掛け違いや勘違いのよう。

 間違いは誰にだってある。
 勘違いは誰にだってある。
 でも、それがすべてだった。 
 
 僕の妹は言っていた。

 
 【うそつき】


 それは僕を含んだ物語を凝縮した言葉だった。
 そして、もう一言。


 【たすけて】


 それは。
 それこそが、全てのおわりでもあった。

 だから、僕は……終わらせないといけない。
 夕闇の中に木霊していた悲鳴を、終わらせる。
 
 だって身近なものを助けるのに理由なんて必要ないはずだから。



 私刑クラブ【いん】



 そうして僕は月島と共に再び空き教室まできた回想からの帰化。
 空き教室……つまり死刑くらぶが開かれた場所。
 するとそこには沢口と蔵雨の二人も僕達が戻ってくるのよ予測していたかのように、そこで待っていた。
 二人は僕達を見ると笑顔で迎えてくれた。
 こうして四人で集まるのは、久しぶりのようで久しぶりでなかった。
 もっとも僕達はこの空き教室以外でも接点はあった。
 でも僕達はこの空き教室以外での接点はなかった。
  
「まるで推理小説の解答編のように、みんな集まっているね」と僕。
「は? 推理小説なんかと比べるなよな。それに俺達が犯人捜しをしていたって意味ねーことだしよ」
「んー推理小説の場合はそれが前に振っていた伏線を整合性を持った解答がほしいからじゃないのかしら。だからぶっちゃけ犯人がどうこうというよりは、ちゃんと話として成立しているかの方が重要なわけ。小説が本であるが故の特性と言えばいいのかしら」
「ふうん。ひとえがそういうのなら仕方ねーけどよ。でもそれって読者に媚びてるっていうもんだろ?」
「あはは。そりゃ沢口くんみたいに強ければ別だけど、この世界で生きていくためには何かに媚びを【う】らなきゃやっていけないんだから」

 ふうんと沢口は特に関心もない素振り。
 沢口が強いかどうかは別にしても確かに何かに媚びを売らなきゃいけないとはなんとも滑稽な話だ。
 と話が完全に話が横道に逸れたので修正をして閑話休題、僕が改めて二人……月島を含めて三人か。
 その三人に尋ねた。
 それは別に死刑くらぶが続いているとか続いてないとか……そんなことは別に関係なく、ただ尋ねた。

 この【せかい】のことが【すき】かどうか。

 三人はただ、肯定した。それは当たり前のように。
 だからこそ、納得した。
 
 つまり、死刑されるのは個々の【にんげん】というより、この【せかい】そのものだと。

 僕は月島のことを見た。
 彼女はにゃはと猫みたいな笑みを浮かべていた。

 同時に……この【せかい】そのものが【ほんもの】でも【ゆめ】でもない、すれらが混ざったモノになっているということに確信したのだった。


「なんだよ。じゃあ俺達の住んでいるこの世界っていうのは死刑くらぶというのに浸食されたモノなのかよ」
「どうなんだろうね。それは僕にも知らないよ。ただ少なくとも沢口くん。キミも部外者でないことは間違いないはずだけどね」
「は。今口にしては言うじゃねえか。で、俺が部外者じゃないというその根拠はなんなんだよ」
「それは…………キミが殺したんだろ? 二人目と三人目に自殺した二人を」

 途端沢口は口を噤んだ。
 それに驚きの表情を浮かべたのは月島だった。

「そうなの?」
「…………なんだよ、知っていたのかよ。ひとえチクったんじゃねえの?」
「まさか。まぁ今更知ったところで仕方がないけどね。もう全部終わったことだし」

 一人目の僕の妹はともかく、二人目、三人目の自殺者は……実に作為的なものだった。
 都合が良すぎた、と言えばよかっただろうか。
 もっとも、今この場においては犯人捜しなんて意味のないことなんだけど。
 けどそれに納得がいかない月島は激昂していた。
 
「なんで。なんで!? わけ判らないんだけど! ウザいんだけど!」
「……否定はしないわ。でもこれは必要なことだったの」
「…………必要ってなに? 何がしたいわけなのよ?」

 そして、蔵雨は一呼吸置いてから淡々と言った。

「元に戻すの。この捻れた物語をね。だってそうでしょ雫? この世界は、貴女と今口くんにとっての都合のいい物語に満たない世界なんだから」


 僕達の世界。
 つまり月島と僕の都合いい物語、にさえ満たない世界。
 と蔵雨は言った。
 ふたり……きみとぼくの世界ならセカイ系としてのカテゴリが出来るらしいのだがどうもそれとは違うらしい。
 その解釈については月島は高説してくれた。
 相変わらずカテゴリに分類することや厨付けするのは変わらないみたい。
 まぁいいけどね。そういうところも含めて月島のことが好きだし。
 閑話休題。
 死刑くらぶで捻れた物語を正すだなんて、無茶苦茶もいいところ。
 というかなんで蔵雨と沢口はそんなことをしようとしたのだろう。
 すると蔵雨は柔和な笑みで応えた。

「馬鹿ね。助けるのに理由なんてないでしょ? 強いて言うなら雫は私の友達というだけ、それだけよ」
「へーそんな高尚な理由で助けるんだな、お前。マジ受けるぜ」
「なによー。なら沢口くんはどうして今口くん達のことを助けようだなんて思ったのよ。私は貴方のそこが知りたいわ。だって明らかにキャラじゃないでしょ?」
「は? キャラってなんだよ? 大体何でもかんでも人を見た目だけで判断するなっつーの。というかあれだな。人ってどうも第一印象で決めつけている感があるんだけど、あれ。俺大嫌いなんだよな」
「でもそんなこと言ったって沢口くんもそういうことしているでしょ?」
「まぁな。だって仕方ねーじゃん。面倒くさいし」
「……沢口くんって言っていることとやっていることが矛盾しているわね」
「まぁいいんじゃねえの。大体人間は矛盾の生き物なんだし、多少矛盾があるほうが人間味があると俺は思うぜ」
「ということは、沢口くんが二人を助ける理由は?」
「んーなんでだろうな。まぁこいつの妹とちょっと縁があったから、かな」

 と沢口が親指で僕のことを指してきた。
 つまり沢口と僕の妹は繋がりがあったということか。
 なんだか少しショック。
 
「あ、別に彼氏彼女とかそういう関係じゃねーんだけど、まぁそういう関係だったんでな」
「なんでそこを有耶無耶にするのよ?」と月島。
「え、言っていいの?」
「駄目。というか雫も沢口くんが有耶無耶にしていることを読み取りなさいよ」

 と月島の言葉に暫しの間思考を巡らして沈黙の後、月島の顔は真っ赤になった。

「あ、え!? 沢口くん、変態っ!」
「あーあ。雫ちゃんに嫌われちゃった。だから有耶無耶にしたのによー」
「~~~~~~~~~~~」

 悶絶を表情を浮かべる月島。
 まぁ僕の妹と沢口については、まぁそういう関係だった、みたい。
 でもそれならそれで合点がいかない。
 
「でも僕の妹のことと僕のことは関係ないだろ。それに」
「だから、言っているんじゃんよ……縁があったから、てよ」

 沢口の言葉に……やっと僕も彼が僕の妹とどういう関係なのか知った。
 つまり、二人が正確な彼氏彼女の関係ではなかったのは確からしいけど、でも彼は妹のことが……多分今でも好き、なんだと思う。
 だから今回僕達を助けるということは彼自身助けることになることになる。
 多分そうなんじゃないのかな。
 判らないけど。
 判りたくないけど。
 
「さて、と。じゃあ私達はこれぐらいにしましょうか」
「ん。そうだな」

 と刹那蔵雨と沢口は言った。
 これぐらいとはどういうことだろうと疑問。
 すると、二人は微笑を浮かべて

「言ったじゃんよ。助けるって。こんな夢とも現実ともつかない世界におさらばするために、てな」
「そうね。あとは雫と今口くんの問題だからね。ダイアリーからモノローグへシフトチェンジというかしら」

 と、そんなことをさらりと口にしていた。
 モノローグへシフトチェンジとは、と思った途端……蔵雨と沢口が突如姿を消した。
 なんの脈絡もなく。
 なんの経緯もなく。
 神隠しにあった……と言えば適当かもしれないけど。

「どういうことだい。今口と蔵雨がいきなり……」
「多分二人はもう【い】ったんだよ。現実にね」
「唐突だね」
「そりゃ夢から醒める時は大概唐突でしょ? 区切りよく夢から醒めるだなんてそんなの物語の中でしかないもの」
「ふうん。つまり……死後だね」
「……? 死後? 死語の間違いでしょ。しかもただの変換ミスだし」
「意味合いとしてはあっているんだけどね」
「相変わらずさらぎくんは中二病全開ね。そんな無意味な言葉遊びなんかしてこのルイス・キャロル厨が!」
「まぁルイス・キャロル厨はともかく唐突に【い】なくなるとなんの感情もないね」
「綺麗にスルーされたっ! ……まぁ別に【い】なくなると言っても【し】ぬとか【し】なないとかそういうレベルの話じゃないしね」

 【し】ぬ。
 【し】なない。
 そういう話じゃない、と月島。
 ……ふうん。
 つまり、そういう話じゃないというわけだ。
 どういう話なのかはぼんやりとしか判らないけど。
 ともわれ今は僕と月島の二人きり。
 まるでこの世界が僕ら二人きりのよう。
 なるほど……確かにモノローグだ。
 と刹那月島が服の裾を引っ張ってきた。

「どうしたんだい。お腹でも減った?」
「……うー折角の二人きりなんだから、その」
「あーやらしいことでもしたくなっちゃった?」

 月島の顔が一気に真っ赤になった。

「ち、違うわよ! はん。なんでウザいあんたなんかといやらしいことだなんてしたいと思うのよ。馬鹿にするのも大概にしなさいよね!」
「いや、僕何も言ってないんだけど」
「大体! なんであたしが、そ、その…………ごめんなさい」

 怒っていたのが突然トーンダウンし、謝罪。
 一体何が何だか。

「別に謝る必要もないよ。なぜそんなに怒ったのか判らないけど」
「…………ねぇさらぎくん。あたしのこと、どう思っている?」
「どうって……そりゃ好きだよ」
「…………それは、貴方の妹でも?」

 か細い声で月島は、そう言った。
 僕はそれに頷く。

「そうだね……好きだよ」
「あたしが言っているのは、そうじゃないの……そんなんじゃないの」

 月島は翳りのある顔。
 しかし僕は全部受け止めているつもりだった。

 発端は、やはり僕の妹の自殺だった。
 でもそれは死刑くらぶとかそういうものは関係ない。
 関係あったのは、血と狂気と愛情と憎しみ。
 月島雫と僕の妹の接点。
 それは彼女が僕の妹だとうこと。
 いや、違うか……正確には僕の妹の友達、それが月島雫だった。
 もっともこの現実にも夢にも満たない世界ではどれが真実なのか僕でさえ判らないところではあったけれど。
 でも月島雫のことを現実の僕は妹として接していた、と思う多分。
 だからなのだろう。
 だから、彼女は妹になりたかった。
 そして、その結果。
 血まみれの少女が言っていた一言。

【うそつき】

 それは真実の言葉だった。

【たすけて】

 それは救済の言葉だった。

 どちらも妹の言葉。
 そしてどちらも僕を突き刺す言葉。

「あたしは……あたしが望んでいたのは、こんなんじゃ……ない」
「じゃあ、どういうのをキミは望んでいたんだい?」

 瞬間、月島は僕の身体にもたれ掛かるように抱きついてきた。
 その表情は無垢でありながらも淡々としていた。

「あたしは……さらぎくんのことが好き」
「僕も雫のことが好きだよ」
「…………………嬉しいわね。だって、好きって言われるだけで凄く気持ちよくなるもの」
「それは言った方も同じだよ。だからこそ難しいんだよね」

 好きという感情をどう相手に伝えるか。
 行動ではなく、言葉で。
 そもそも人は行動だけでは伝わらない。
 だからこそ難しい。
 
 僕は実のところ妹に関しては特に関心もない。
 関心はないけど、いつも忘れた【ふ】りはしていた。
 なぜだろう。
 なぜだろう。
 だってそれは……理由もなく嫌だから。

 だけど、それも僕の妹には嫌悪にしか伝わらず……だから最悪の結果になってしまった。

 妹を嫌悪する兄。
 兄に温もりを求めたい妹。
 妹になりたい友達。
 
 その結果がこの世界……好きなものを殺す、死刑くらぶの誕生である。
 
 もちろん終焉を迎えることもできると言えばできただろう。
 意味不明なまま終わらせることもやろうと思えば、出来る。

 でも、それは違うと思った。
 見て見ぬふりはもう嫌だった。
 全てが流されていく世界が嫌だった。
 だから。

「雫……」
「なに、改めて言っちゃって」

 月島の円らな瞳は僕の双眸を凝視し、次に言う僕の台詞を待っていた。
 そして、そして……。

「今までありがとう…………あと……ゴメン。僕はキミの思うような想いでキミのことを迎えることはできない。だから、さよなら」

 その瞬間、全てが崩壊した。
 何が崩壊したかと言えば全て。
 まるで窓ガラスにボールが当たり割れた時のような崩壊。
 でも、そんな中でも。
 いや、そんな中だからかもしれないけど。
 月島は満面な笑顔を僕にしてくれたのだった。

 そうして世界は反転する。






 
 エピローグ。
 らしきもの、と言えばいいのだろうか。

 僕は普通に妹に起こされて(妹曰くお兄ちゃんはお寝坊さんなんだからわたしがしっかりしないと、とか云々)いつも通りの朝食。
 そしていつも通りの登校。
 日常は絶え間なく続いている。
 あの物語にも満たない世界でもそうだったけど、この世界も実のところあまり見栄えはなかったりしている。

 でも、唯一変わったところがあるとすれば、死刑くらぶが違う意味であったこと。
 もともと死刑くらぶとは妹が虫や生き物、ゲームに出てくる敵キャラのことを「殺すぞー」みたいなことを言ったのがきっかけだった、と目覚めてから気付いた。
 まぁ、でもまだ許容範囲というべきか。
 最悪な結果にはなっていない。
 多分最悪な結果とは、月島に伝播して、結果として……あのような世界を構築したのかもしれない。
 いや、もしくは最悪な結果だからこそというべきか。
 
 あと妹に沢口に話を振るとなんで知っているの? みたいな顔をされた。
 それで会話が微妙に盛り上がった。たぶん。
 妹と沢口は彼氏彼女の関係ではないらしいが、それ未満の関係でもないという非常に面倒くさいものだった。
 でも嬉しそうに語っている妹の顔がとても眩しく見れたので、それはそれでいいのかもしれない。

 そして登校の最中、蔵雨と月島がいた。
 この場合は月島達が僕のことを待っていたと言うべきだろうか。
 僕が来たことを確認すると蔵雨は手を振りながら気を利かせるようにその場を去っていった。
 なんだかとても代わり映えのない光景だった。
 
 結局崩壊されたのは世界の方なのか、それとも僕達の方だったのかそこのところはよくわからない。
 でも世界がリセットされたとか、そういうことじゃないと思う。
 現に僕も、それに月島や沢口、蔵雨にしても……元に戻せたのか、もとに戻ったのか理由としては不明。

 とりあえず僕は月島のことを無視しながら、その場を去ろうとしてみた途端、激昂した彼女の姿があった。

「あたしを忘れていくなぁ!」
「……だってキミとはさよならしたはずでしょ? 違う?」
「いや……まぁ、そうなんだけどさ……というか夢の話を何で続けなきゃいけないのよ!」

 と、月島は言っていた。
 夢……か。
 確かに夢なのかもしれないな。あの世界は。

「なら雫は今、僕達が生きている世界も夢と考えたことはないかい?」
「なんで考えなきゃいけないのよ、本当にさらぎくんって中二病なのね。大体世界とかどーでもいいから」
「本当かい?」
「…………いや、ちょこっとだけ気にしているかも」
「じゃあ雫も中二病だね」
「がーん! あたし、中二病だったんだ! ……てそうじゃないでしょ。いきなり話題を変えてどういうつもりよ」
「いや変えているつもりもないけど」
「そんな屁理屈いらない!」
「屁理屈もいいけど、歩きながら話さない? 今のままだと確実に遅刻するよ?」

 月島は僕の言葉に促されて、闊歩し始める。
 話題はつきなかった。
 それこそ、あの物語にも満たない世界だった頃と同じように。

「結局あたし達って何か変わったのかしら。世界を元に戻したと言っても何も変わらないし」
「いや、変わっているよ」

 月島は怪訝な顔をしていたけど、確かに変わった。
 それは、死んでいない妹の世界。
 死刑くらぶが微妙にあるようでない世界。
 なぜか僕達の記憶が引き継がれているのは微妙なところだけど。

「夢……だったのかしらね。さっきは夢って片付けちゃったけど、本当にそれでよかったのかしら」
「夢と現実の境目を僕達ごときが知るはずもないし、測れる測量もないよ」
「ふうん。随分と哲学的なのね。ヘミングウェイ厨ね!」
「そうだね。でもヘミングウェイは哲学者じゃないけどね」
 
 その瞬間月島は悶えていた。
 小説家と哲学者は似て非なるものだからあっているといえばあっているかもしれないけど。
 それは兎も角、実際僕達の世界とあの世界が同じなのかはよくわからない。
 でも、よくわからないからこそ。

「ねぇ雫。僕達は……これでいいんだよね」
「いいもわるいもないでしょ。だって、それこそあたし達が決めるもんじゃないんだから」

 至極月島の言うとおりなのだと思う。
 実際のところ、この世界もまた正しい世界なのか、正解の世界なのか僕達自身よくわからないし、そんなのを他人が決めるも違うと思う。
 それから月島とは妹の話をしたりをして盛り上がった。
 いや、盛り上がったかどうかは知らないけど。
 それと僕達の関係は彼氏彼女なのかという話題もあった。
 途端、月島は少しはにかんだ表情を浮かべて

「……………えへ」

 多分それが全部の答えなんかじゃないのかな、と思った。


 学校に到着して月島と別れてから、僕がクラスに到着した途端久しぶりに意気揚々とした沢口の顔が飛び込んできた。

「よう、元気だったか」
「取り立てては」
「はん。お前らしいな。あ、そうだ。おまえ死亡くらぶって知っているか? なんでも」

 と沢口が突然会話してきた。
 ……ふむ。つまりこの世界はそういう世界らしい。
 まぁ、でも今度はリセットはないと思う。たぶん。
 ……でも前の世界もリセットしたかと思えば、どうなのだろう。
 そこらへんも実に曖昧で、結論としていうのならば夢として片付ける方がいいと思う。
 だって、結果的とは言えば今はこの世界で生きているのだから……それを基準にして考えた方がいいと思うし。
 とはいえこの世界ももしかしたら夢じゃなければ、別の話だけど。
 でも、例え夢だとしても全てを受け入れなきゃいけないんだと思う。
 どう受け止めていいのかさえ判らないけど、でもそうしなきゃいけないんだ。

 ずっと同じ日々が続く日常だなんて、もうこの世にはない。
 そしてずっと変化をしながらも、同じ日々が続いていく。
 だって、世界はそういうものだと僕は思うから。

 あの酷く五月蠅い悲鳴は今はもうない。

 


 
                                                死刑くらぶ【fin】



2009/09/24 16:06 | 一次創作SS・死刑くらぶCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  

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