FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--/--/-- --:-- | スポンサー広告  

一次創作SSを書いてみたその3

 こんばんはーいくいです。

 今日ささくれPのラララ結末論を含むボカロCDが届いたよ。
 やほー!|'ω'|三|'ω'|三|'ω'|シババーン

 閑話休題、死刑くらぶの残りを更新します。
 大体一週間に一話のペースで公開する予定です。
 
 返信などについては次の更新時にまとめていたします。
 ではー。


 タイトル:『死刑』くらぶ【さん】
 
 制作時間:更々



 さん。
 三度目の正直。
 三日目。
 三話目。
 三限目の授業。
 三部作。
 二度あることは三度ある。
 酸度……あ、これはちがう「さんど」か。 
 つまり三とは人間が好む数字であり三回という言い回しがこと日本人には甘美に聞こえるらしく、そのためか三度までは何事も許される、試されるらしい。
 朝、昼、夜。もさん。
 つまりなんていうか、僕の周りには三が他の数字よりも溢れているし、また跋扈している。
 だから何だというわけでもないし、何かが起こるということもない。
 ただし、三人目。
 三回。
 三度目。
 つまり、死刑くらぶによってまた【し】んだ。
 

  『死刑』くらぶ【さん】



 茜色に染まり、日が落ちる夕日はただただ僕達のことを朱の世界へと帰化されていく。
 僕達というのはつい先日僕と彼氏彼女の関係になった月島雫、彼女の幼なじみの蔵雨ひとえ、そして僕のクラスメイトの沢口。
 放課後いつのように僕らは集まっていた。
 話題の内容は一度や二度ならともかく、三度目も起こってしまったことについて。
 つまり、死刑くらぶである。
 さすがに教師達もこれまで学生達の噂程度に捉えていた死刑くらぶというものに対して関心を持ったらしく、それ故いつ僕達が声をかかるか少しだけど怯えていた。
 否、怯えていたというニュアンスについては少し訂正。
 正確には間延びしていた。
 ちなみに議題の方は一向に進展しなかった。
 というより誰も死刑くらぶについての話題をしなかった。

 その三人目。
 その三人目は僕達……つまり一人目である僕の妹と二人目の月島のストーカーなどと間接的にも関わりがあったのだが全く縁もゆかりもない、しかもラクロス部に勤めていた比較的にムードメーカーな女の子が自殺をしたのだから。
 いじめや家庭内で問題があったという噂もない。誰も言わない。
 しかも聞くところによると彼女はそういう噂話は一切信じなかったらしい。
 だからこそ、その三人目と死刑くらぶを結びつける接点はどこにも存在しなかった。
 
 しかし彼女は【し】んだ。
 茜色の夕日の中。
 自宅の自室の中。
 自らの手で手元にあった包丁を使い首を切断し、絶命した。
 
 ただここで一つ問題が生じる。
 それはあまりにも綺麗すぎたから。
 彼女が包丁を使って綺麗に首を切断したこと。
 誰かに切断されたのなら兎も角、綺麗に、標本にできるように切断したこと。

 だからおかしかった。
 だから警察も、教師もおかしいと感じた。
 ただの自殺じゃないこと。
 そして死刑くらぶの噂がタイミングよく教師達の耳に入り、結果放課後は原則クラブ活動・居残り禁止となった。また死刑くらぶを知っている人間を洗いざらい職員室に世に出し、根掘り葉掘り事情聴取……という名の脅迫をしているらしい。
 
「ねぇ」
 
 なぜか知らないけど重苦しい雰囲気。
 空き教室は雨が降っているわけでもないのに非常にひんやりとしていて、僕達が来ている制服はどこか濡れてるみたいに重みを感じていた。
 そんな最中月島が声を開いた。

「あたし達……いつまでこうしなきゃいけないのかしら」
「こうしなきゃ……て?」
「…………言葉通りの意味よ。さらぎくん」

 月島はそれ以上のことは言わず、また口を閉ざした。
 僕には月島が言っていることが判ったようで、やっぱり判らなかった。
 判ったようで、とは、つまりこうしていつまでこうして放課後意味もなく集まらなきゃいけないのだろう、ということ。
 ただこれは僕にではなく沢口と蔵雨に対する問いだと断言はできた。
 元は沢口と蔵雨が僕と月島を試すためにこの空き教室を誘い出したのが事の始まり。
 まぁそれが縁で僕と月島は付き合うことになったけど、しかしそはあくまで結果論でしかなく、つまりなぜ僕達がここに集まり、死刑くらぶについて集まらなきゃいけない経緯や状況についてははっきり言って皆無であった。
 ただ放課後集まって、雑談し、帰宅する。
 正直な話クラブ活動として空き教室を占拠する程のものでもなかったし、別に空き教室でなくても出来た。
 でも蔵雨と沢口はそれをしなかった。
 だから、この教室で二人が拘る理由。
 それが知りたかった。僕も月島も。
 別に事前に打ち合わせをしたわけでもなければ、阿吽の呼吸で合わせたわけじゃない。
 ただ知りたかった。
 死刑くらぶの真意。
 僕と月島が呼ばれた経緯。
 沢口と蔵雨は一旦顔を見合わせてから、ようやく口を開く。

「そういえばまだ二人には説明してなかったな」
「そうね。まぁあえて、と言った方がいいのかしら」

 二人はいつもの妙にハイテンションなテンションを落とし、訥々とした口調で喋った。
 どこか全てを達成した表情を浮かべながら。

 


 それは夢の【はなし】
 僕の妹はいった。

 【うそつき】

 その一言。
 その一言が未だに僕がこの世界でいきているという呪縛を強いられている。
 彼女はどちらかというといつも水面をかける印象が強かった。
 なぜか知らないけど、僕の妹はそういうのが非常に似合っていた。
 だから嘘とか辛辣な言葉とか、そういうのにも遠いモノだと思っていた。
 でも。

 【うそつき】

 言われた。
 僕の妹が、生前言っていた。
 そして水面をかけている印象も健在。

 ただ、それは水ではなかった。
 自分のモノなのか他の【にんげん】なのか知らない赤い血。

 僕の妹は赤い血だまりの中でかけていた。
 水遊びをしているように、水遊びをしていた。

 あるのは狂気と兇器。
 嬉しそうな動作とつまらなそうな眉毛。
 
 【うそつき】


 その一言が全ての終焉。
 その言葉が全ての紀元。
 だから、こそ。

 【■■■■】



 

 それから僕達は空き教室を後にした。
 今後空き教室は使わないということになった。
 なったというより必要がなくなった。

 つまり死刑くらぶは既に終わったという。
 今回の三人目で完結。
 沢口と蔵雨はそう言った。

 完結。
 つまり終焉。
 死刑くらぶにまつわる噂もこれで終わり。

 ふと顔を上げるとそこには真っ赤すぎる程の夕日があった。
 今日は一段と赤々しく血生臭い。
 まるで血だまりの塊。

 隣には月島がいた。
 何も言うことなく、ただただ翳る表情。
 そんな彼女はいつも以上にどこか儚げに見えた。

「……ねぇさらぎくん。さらぎくんは信じる?」
「信じるって沢口達の話をかい?」

 茶化すこともなく僕は答えた。
 月島もそれに頷く。

「そうだね……にわかに完結したとは言い難いね」
「そうね…………あたしもそう思うの」
「ふうん」
「それにね、噂話ってそんなに綺麗に終わらすことなんでできないわ。誰かが【ひつよう】だと思うからあると思うし、だからこそ死刑くらぶもまた存在していると思うの」
「雫……キミはどう思っているんだい?」
「どう思っているって?」

 月島は柔和な笑みを浮かべていた。
 僕の質問を見透かしているかのように。
 
「死刑くらぶが【ひつよう】かどうか」
「………………………うふ」

 そうして。
 そうして唐突に月島は僕に抱きついてきて、唇を重ねた。
 それが僕の質問に対する返答だったのかは判らなかったけど。
 
 しばらくしてから、いつも通りに僕は月島と別れた。
 そうしていつも通りに帰路につく。
 いつも通りに。

 夢の中、妹は言った。

 【うそつき】

 一言。それだけ。
 だけど、夢が醒める間際、その一言は変わっていた。
 確実に、変わっていた。
 
 死刑くらぶが終わったからであろうか。 
 それとも。
 ……………。


 【たすけて】



2009/09/10 16:19 | 一次創作SS・死刑くらぶCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

 | BLOG TOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。