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一次創作SSを書いてみた

いくいです。
最近一次創作SSが流行っているらしく、ついそれに乗って私も一次創作SSを書いちゃったんだZE☆(ぉ

タイトル「死刑くらぶ」
制作時間 構想と合わせて3,4時間ぐらい?

キャラ付けの薄さや統合性のなさはご了承くださいませ。

ちなみに続編とかは全く考えてませんが需要があるようでしたら考えようかなと、という形で。
それではー。







 遠くの方で渡り鳥のような鳴き声を聞いた。
 それは酷く悲しく。
 それは酷く辛く。
 辛辣という言葉で片付けられるほど簡単で、嘆きという言葉で片付けられるほど難しい。
 僕にはその基準がなんなのかいまいちよくわからなかった。
 いや、多分判っていたのかもしれない。
 だけど、その時の僕は理解したくなかった。

 だってその悲鳴は酷く身近なものだったのだから。


      【死刑くらぶ】


 翌日、茜色の夕日が差し込む中僕はとある空き教室に一人佇んでいた。
 左の耳からは演奏学部の練習している音楽。
 右の耳からはサッカー部や野球部の練習をしている時に出す声。
 そんな最中僕は一人立っている。
 理由? 
 そりゃ、僕の目の前には見知らぬ女生徒が倒れ込んでいたのだから。

 僕は何気なくその日の勉強をして、何気なく終了して、何気なく帰宅するはずだった。
 そんな僕の日課を狂わす原因となったのはクラスメイトの一人……名前は確か沢口だったかな。彼が僕のことを呼び止めた。
『なぁ、お前死刑くらぶって知っているか?』
 死刑くらぶ? 僕は聞いたことがなかった。首を左右にふると彼はにやりと獲物を見つけたかのような笑みを浮かべた。
『なんだよ、しらねぇのか。遅れているのな、お前。まぁいいや。なんでも「好きなものを殺します」なんだってよー。今学校で話題になっているだよなー。でもさ、好きなものを殺すだなんて一体どういうことなんだろな。なぁお前も興味あるだろ? な? いや、その顔はぜってぇ興味ある顔だよな!』
 まるで彼は僕のことを人形か何かと思って、勝手に話が流れていった。というか進んでいった。
 そしてそんな彼の言うことはこうだった。
 曰く死刑くらぶとは誰もいない空き教室で開催されるものらしく、それに参加したものは好きなものが死刑になる、というなんとも理解に苦しむものだった。
 僕は断ろうとしたし実際断ると言ったけど沢口は眉間に皺を寄せて僕の頬に軽くひじ鉄を打ってきた。その証拠に僕の頬は軽く腫れていた。
 そこまでしてなぜ彼が僕のことを死刑くらぶというものに参加させるのにこだわるのかは知らなかったけど、僕は彼の言うとおり死刑くらぶというのが開催される空き教室に赴き、そして見知らぬ女生徒の姿が床に仰向きに倒れ込んでいる姿があった。


 彼女は一言でいうのならとても華奢で、漆塗りをしたかのような長髪の黒髪が何よりも特徴的だった。
 浄瑠璃が高校生になったかのうな美しさ。

 そんな彼女の観察をしていた刹那、彼女の瞼はゆっくりと開いた。

「……んにゃ~」

 欠伸とまるで猫みたいな鳴き声の第一声。

「…………貴方誰よ」
「誰ってキミこそ誰?」
「…………冗談は勘弁。それと貴方、私のことじろじろ見ないでよ。キモイから」
「ならキミもいつまでも寝転がってないでいい加減起きたらどう? 身体埃まみれじゃないの?」

 と僕が言った途端、彼女はやっと自分の状況に気付いたらしく飛び上がるように立ち上がった。

「うぁ! 本当に埃まみれじゃない! 貴方、気付いたのなら埃払ってくれてもいいじゃないのよ!」
「いや、僕がなぜそこまでするのか判らないし、セクシャルハラスメントになるのは勘弁だからね」
「うわぁ、キモイ上に厨二病全開。痛いね」
「痛いというより怖いね」
「自分自身さらにキモさを上げてどーすんのよ! 言っておくけどあたしと会話した時点で貴方なんてセクシャルハラスメントなんだからね!」
「なら僕はこれ以上会話しないよ。バイバイ」

 と僕は背を向き教室から出ようとする仕草をした。

「だから勝手に行くなー!」
「キミは話したらセクシャルハラスメントとか教室から出て行くと言ったら行くなとか、何をしたいのさ? 今更ツンデレは正直流行遅れだと思うけどな」
「うわぁ、ツンデレとか一つのカテゴリに分類する人間って最低だよね。人間失格? 太宰治の方じゃないほうの人間失格だね、全く」
「とりあえずキミはカテゴリ云々を気にするよりも髪の毛や服に付いてある埃を気にした方がいいと思うんだ。女子高生でしょ?」

 その瞬間彼女は顔を真っ赤にしながら思い出したかのように髪の毛や服についてある埃を払い出したのだった。



 それから彼女、月島雫は事のあらましを説明してくれた。
 ちなみに彼女曰く『名前が判らないキャラで通すつもりはないんだからね!』とよくわからないツンデレをされた。
 彼女は帰宅しようとして廊下を歩いている最中に何物かが後ろから襲われ、気がついたら空き教室で寝ていたという。
 どちらかというと僕の件よりも物騒なあらましだった。

「いや、あんたのあらましも十分物騒だから。というかいじめ? そういえばいじめてくんってキャラだもんね~」
「まぁキミは外見は清楚なお淑やか、中身ドロドロってどちらかというとスタンダードなキャラだけどね」
「そんな汚らわしい目でわたしを見るなぁ! こう見えたって純真なんだからね!!」

 月島は大声を出しながらある意味で潔白を証明した。言った途端に顔を赤らめて墓穴を掘った顔をしたのは言うまでもない。

「ああもう! 別にあんたなんかにフラグを立てるつもりなんかないんだからね!」
「いや僕もとりたててキミにフラグを立てようとは思ってないけど」
「そこは狼狽えなさいよっ! 気弱キャラじゃないの!?」
「ところでなんでキミは僕のことをキャラづけするの? キャラ付け厨?」
「そうよ、あたしってどんなものでもキャラづけしちゃうのよ。ピカチュウでいうならビリビリ厨、みたいなー。てへー☆ ……ってどんな厨よ! しかも何言わせているのよっ!! あたし思いっきり電波キャラって思われるじゃないのよ!!」
「大丈夫。僕一人だけがそう思うだけだから」
「キモイあんたにそう思われるのが一番嫌なのよ!!」
 
 月島から聞いた話だが彼女は自称優等生で才色兼備らしい。
 まぁ容姿から見ればそれも頷ける。黒髪はとても綺麗。ただしところどころ埃がついてなければの話だけど。
一応払ったけど(ちなみに僕はセクシャルハラスメントになるから自発的に払っていない)ところどころ払い切れてないのを愛嬌と見るべきかただの間抜けと見るかは判断しにくいとことだけど、月島は気にしない表情で話を元に戻した。
 気にしたら負け、らしい。気にしなくても十分負けているけど。

「とにかく! なんで私達がここに集められたのか判らないわ。それにあんたの友達……というか友達なの? まぁそれは今はいいわ。沢口が言っていたことって本当なの?」
「ところで死刑くらぶっていうの、本当にこの学校で流行っているの?」
「流行っているの? てあんたどれだけ情報網が狭いのよ。それか自分の世界に入っちゃている典型的な厨二病なの? 死刑くらぶってようするに都市伝説……学校でいうと怪談モノに近い部類よ。ほら、あたし達の学校って微妙に進学校でしょ? だからそういううわさ話は格好の的で、ストレス発散のいいネタにしか過ぎないの…いや、過ぎなかったと言えばいいのかしら」
「……過ぎなかった?」
「あんた朝の全校集会で聞いてなかったの?」

 その瞬間僕は今日の朝の緊急全校集会に校長が言っていた話を思い出した。
 そう、昨日ある女生徒が僕達の住んでいる街にある白山ホテルの屋上から飛び降りをしたのだった。
 
「それでそれと今僕達がいる状況と何が関係あるていうんだい?」
「いや、それがただの自殺じゃないから校内中で噂になっていたんだってば。あなた本当にしらないの? 彼女は実は死刑くらぶによって殺されたって」
「知らない。それに沢口と言っていたこととちょっと矛盾してない?」

 僕がそういうと月島は首を傾げた。
 それは沢口の話と月島の話が矛盾しているからだ。
 つまり沢口は今死刑くらぶというのが話題になっていると言っている。だから僕は強制的に空き教室に行かされた。
 だが月島は今日の全校集会で校長が話した話の理由が死刑くらぶというものの仕業だという。
 つまりどちらかが嘘をついていることになる。

「ちょっと、あたしのこと疑っているわけ!?」
「そりゃ疑うだろ? キミの言うことを素直に信用できるほど僕は甘くないからね」
「だからといってひじ鉄を食らわせた沢口君の言うことを聞くのもおかしくない? やっぱりあんたおかしいよ。厨二病は二次元上の中だけで勘弁してよ」
「まぁキミの詭弁よりかは信用に値するには違いないけどね」
「あたしの言葉詭弁!? そりゃないでしょ! 大体あんた高校生探偵でも戯言使いでもないくせに探偵気取りをして何様なのよ!?」

 高校生探偵と戯言使いというどちらかというと対極な感じな組み合わせを咄嗟に思い浮かぶ月島の探偵キャラ論が微妙に気になるところではあるけど。

「まぁキミの話はともかく死刑くらぶっていうのがどういうものかもう一度教えてくれないかい?」
「……なんであたしがあんたみたいなキモイやつの助手を務めなきゃいけないのよ! まったく探偵気取りの厨二病なんだから。死刑くらぶっていうのは沢口君とかが言っていた通りよ。好きなものを殺す、それが死刑くらぶっていうの。大体そんなことをしてメリットなんてないわよ、全く」
「そうだね。メリットはないよ……まぁそんなことは関係ないけどキミがなんでここで倒れ込んでいたのかは判ったけどね」
「…………え?」

 月島はとてつもなく間抜けな顔になっていた。美少女の間抜け面。これはこれでいいかも。


 それから僕はやっと学校から出た。
 茜色の夕日は少し翳りを募らせていた。
 僕の隣にはなぜか月島がいた。
 彼女の横顔は小さいながらも日本人形のように整っていて、綺麗。
 そんな僕の視線に気がついたのか彼女は顔を赤らめながら言った。

「別にフラグが立っているわけじゃないんだからね!」
「とりあえずキミはなぜフラグフラグとこだわるのか僕にはその理由が知りたいんだけど」
「知りたいのはこっちよ! なによ、あの無茶苦茶な推理!」
「無茶苦茶って筋は通っていただろ?」
「筋が取っているから無茶苦茶なのよっ!!!」

 ということでなぜ彼女が怒っているのか。
 理由は簡単。謎が解けたから。
 と言っても僕は月島がいう高校生探偵でもなければ戯言使いでもない。
 そもそも死刑くらぶという実態がないものを僕が謎を解いたことでメリットなんてあるはずもない。
 たが僕以外の他の誰かそれを求めるのなら話は別。
 つまり解きたいものがいたのだ。死刑くらぶというものを。
 僕と月島の言うことが矛盾していたわけ。
 それもそもはず統合性なんてあるはずもない。


 つまり、沢口と月島にその噂を言った人間がグルだった、ということ。



 するとこの答えを待っていたかのように沢口は今までどこに隠れていたのか知らないが、突如現れた。何事も突然な男だ。
 一方月島は唖然としていた。それもそもはず、彼女にこの噂を言いふらした女生徒が目の前に立っていたのだから。
 彼女の名前は蔵雨ひとえ。月島の幼なじみらしい……というか月島がなぜキャラ厨になったのかなんとなく判った気がする。
 つまり僕と月島は沢口達に試されていたのだ。
 死刑くらぶというものを解く度量があるかどうか……というか度量も何もないだろうとは思うけど。
 『でもお前ならやってくれると思ったぜ! これからもよろしくなぁ!』
 彼は拍手を差し出してきた。とりあえず僕はそれに答えると彼は笑みを浮かべた。どうやら商談成立したと思ったらしい。
 月島は月島で僕の時に散々見せた歯切れの良さは影を潜め、しどろもどろになっていつの間にか入れられたのだった。

「だいたいなんで僕はキミと一緒に帰らないといけないんだい?」
「それはあたしの台詞よ! このキモオタのくせに!」
「キモオタはともかく話を続けてくれ」
「軽くスルーするなぁー!! 大体変える方向が一緒だから仕方がないじゃない! それにこっちの道あたし知らないんだからそれぐらい教えてくれてもいいじゃないのよ!」
「キミは自分の通学路の道順も覚えられないほどの知能なのかい?」
「そうなのよ。やっぱり人間って学力だけじゃないんだな、てつくづく思うのよね……って嘘よ!! そんな哀れみの目で見ないでよ!! まるで一人じゃ変えられない可哀想な子キャラって思われるじゃない!」

 と言っていること自体が既に可哀想な子キャラ確実だけど月島曰くいつもは蔵雨に連れ回されて帰宅している、という。
 それといつもそんな無茶苦茶な帰宅方法をしているのだろうか。
 ある意味僕の推理よりも無茶苦茶だ。
 で……なんで月島が今日蔵雨と離れ離れかというと理由は簡単。
 沢口と一緒にどこかに行ってしまった。
 僕と月島は呆気に取られてそしてなぜか帰宅するはめになったのだった。

「それにしても……死刑くらぶか」
「なによ。何か心当たりでもあるの?」
「……別に」

 僕は月島にそう答えた。
 月島はそれ以上のことは答えずなかった。
 そして分かれ道。

「ねぇ、あんたの名前。そろそろ教えてくれてもいいでしょ?」
「僕の名前? 教えただろ?」
「なに、その名前伏せ字キャラ」
「…………今口だよ。普通だろ。隠す理由もない」
「そういえば、そうだったわね」

 そうして、月島は優しく頷いた。
 それはとても、とても優しく。
 刹那月島は柔和な笑みを浮かべた。
 月島雫の笑顔。
 それは紛う事なき美少女の笑顔。
 そして別れ際。

「ここまでくれば大丈夫だから。今日はいろいろとありがとうね……じゃあ、また明日ね。さらぎくん」

 月島はそう言って別れた。
 名字じゃなく下の名前を言って。
 別れの挨拶ではなく明日へと繋げる言葉を言いながら。

 まるで何かの前触れかのような一日。
 茜色の夕日は、いつの間にか沈んでいた。
 死刑くらぶ。
 僕にとって関係のなかった物事。
 関係なかったでいたかった物事。
 だからこそ、今日はなんてこともない一日だった。
 なんてこともない一日のつもりだった。

 僕はすっかり沈んでしまった夕日を眺めていた。
 今も彼女の悲鳴は忘れられない。

 死刑くらぶが原因で自殺してしまった女生徒。
 彼女の死に際の表情はとても、忘れられない。

 だって彼女は僕の妹なのだから。


          

2009/07/10 07:55 | 一次創作SS・死刑くらぶCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  

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