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Song for friends


今日は7月7日、07thではレナの日ということなのでレナSSを投稿します。

以下注意書きです。


このSSはブログにて公開した圭魅SS雨のち晴れの続編ですが未見でも大丈夫です。
また文字数は約2万字近くとひぐ大用SSと変わらない長さがありますので時間のあるときにお読み下さい。

また本作品は18禁描写が含まれています。怪訝に思われる方がいましたら本作を読むのをお止めすることを強く進めます。
圭レナ・圭魅・レ魅のファンの方も自己判断でお読み下さるようお願いします




以上のことを踏まえて自己責任でお読み下さい。

ではでは失礼しましたー






 陽炎の光が私を照らす。
 どこか物寂しいようでどこか暖かいような、言葉に表すと実に拙く儚いもの。
 雛見沢を映し出す光の螺旋はやはり美しく、でも言葉にするとそれは呆気ないもの。
 そんな当たり前のこと雛見沢で暮らしていた時には間違っても思わなかった。ううん、思えなかった。
 それだけの心のゆとりがなかったから。
 たからこそ引っ越しが決まってから、私の目の前にはっきりと現れた。
 私は雛見沢から離れる。
 圭一くんやみんなとも。
 ……そう思うとまた心の奥底がぎゅっと締め付けられるような感覚に襲われた。
 寂しいと同時に何か……今まで築き上げたモノが一斉に壊れていくかのような感じ。
 私は卑怯な女だと思う。
 圭一くんには魅ぃちゃんという彼女がいるのに、私はその圭一くんにまだ色目を使っている。
 キャラじゃないよね。
 私はそう自覚している。少なくとも私は何事も割り切れる女の子だと自覚していた。
 竜宮礼奈からレナにしたことも。
 でも、私だって……人間。
 割り切れない想いはある……どうしようなほど割り切れない想い。
 魅ぃちゃんが圭一くんの恋人であることは知っている。
 知っているけど……それで私は割り切りたくなかった。
 二人がどこか別の世界に行くようで、その感覚が徐々に現実味を帯びるのが、とてつもなく嫌だった。
 二人に幸せになって欲しいという思いは本当。
 でもそれ以上に……幸せになってほしくないという思いも本当。
 だから私は卑怯な女。
 圭一くんと一つになれるのだったら、私は。


 Song for friends

 
 微睡みと微妙な神経の麻痺が私を支配する。
 私は裸体になりながらはぁはぁと息遣いを荒くしながら横になっていた。ふと隣に目を動かすとそこには魅ぃちゃんがいた。
 園崎魅音。圭一くん……前原圭一の彼女。
 でも今の彼女は私と同じく裸体で、身体を痙攣しながら横になっていた。
 ついさっきイったのだ。
 私に魅ぃちゃんの胸や身体をなじられて。
 私に魅ぃちゃんの大切なアソコを弄られて。
 私に魅ぃちゃんの大切なアソコを遊ばれて。
 もちろん私も同じ事を求める。
 でも今は魅ぃちゃんを攻めたい気分。
 私は身体をむくりと起きあがり、ゆっくりと魅ぃちゃんに近づく。
 魅ぃちゃんは何は強い抵抗はしなかった。ただ微睡みに浮かんだ瞳が印象的。
 そうして私は魅ぃちゃんの唇に私の唇を重ねた。
 初め口と口のみを触れるキス、だけど私はそれだけで我慢しない。
 魅ぃちゃんもそれに我慢しない。
 どちらからともなく舌を入れてお互いの舌を蠢きながらしゃぶり、奉仕する。
 ちゅぱちゅぱと淫靡な音を立てながら。
 ぐちゃぐちゃと卑猥な音を鳴らせながら。
 ゆっくりと唇を離すとヨダレがお互いの唇から糸のように絡まり、滴り落ちる。
 それを見て私も魅ぃちゃんも興奮しているのか顔を紅潮。
「はぁはぁ……魅ぃちゃん……イヤラシイ女」
 息遣いを荒くしながら私は魅ぃちゃんを下々する。
「そ、それは……レナが私を苛めるから」
 俯きがちに魅ぃちゃんは顔を真っ赤にしながら答える。
 それを見て私は興奮を覚え、魅ぃちゃんの豊満な胸に両手で鷲掴みをする。
「きゃ……レナ?」
「魅ぃちゃんったら、本当にイヤラシイ。こんなにおっきい胸をいつもぶら下げて……こんなにおっきい胸をいつも強調させて。本当にイヤラシイ女」
「や、やめてよレナっ! ……いたぁ!」
 両手で魅ぃちゃんの胸を荒々しく揉みしだく。
 いつも勝ち気な魅ぃちゃんが私の前ではこんなにもかぁいい姿。
 それだけでワタシは興奮は隠しきれなかった。
 私は魅ぃちゃんのアソコに手を当てて、中指一本でゆっくりとアソコの中に挿入する。
 アソコはもう十分に濡れていて、スムーズに行き来できるほど。
「魅ぃちゃん……こんなに濡れちゃって……そんなに私に攻められるのがいいの?」
「ち、違うよ。レナ……私は」
「嘘……口ではそんなこと言っちゃって。ホントは期待しているくせに。私に弄られて期待しているくせに」
「………………」
「答えないんだ。魅ぃちゃん、私達親友だよね? 親友なのにここまでやらせちゃうんだ。このこと彼氏の圭ちゃんが知ったらどう思うかなぁ」
「や、ちょっとレナ!」
「あれ、魅ぃちゃん。アソコの締まり具合が急によくなったんだよ、だよ……もしかして圭一くんのことを言っちゃって、感じているの? ……ふふ。かぁいい」
「きゃ……あっ……や、やめてよ。レナ……」
「親友二人でお互いのアソコを弄り合っているの。そんな光景を見せたら圭一くん。どう思うかなぁ。興奮しちゃうかな、かな? どうせなら3Pでもいいかもね。お互いのアソコの膣に入れられた圭一くんのおちんちん。二人で圭一くんに陵辱されているの。とてもいびつな光景。あれ、魅ぃちゃんのアソコまた締めているよ。私の中指取れないぐらいぎゅうぎゅうにしちゃって……本当にイヤラシイ女。じゃあ二本目行くよ」
 そうして私は今度人差し指も魅ぃちゃんのアソコに挿入する。
 刹那魅ぃちゃんの声を漏らしながら喘いだ。
「魅ぃちゃん……イヤラシイ女。本当にHが好きなんだね。この淫乱! くくく。いいの? 親友が魅ぃちゃんの大切なアソコを攻めちゃって! いつもは彼氏の圭一くんしか触れることが出来ない魅ぃちゃんの大切なアソコを親友に弄られていいの?」
 私は興奮しながら魅ぃちゃんのアソコを弄る。
 魅ぃちゃんに卑猥な言葉を浴びせながら私は魅ぃちゃんのことを苛める。
 魅ぃちゃんがかぁいいからいけないんだ。
 魅ぃちゃんが感じやすいからいけないんだ。
 魅ぃちゃんが……。
「いや、レナ! 私っ!」
 魅ぃちゃんのアソコからぐちゃぐちゃと音が鳴る。
 私の手を圭一くんのおちんちんと想っているのだろうか。
 魅ぃちゃんは自ら腰を振ってきた。
「イヤラシイ。イっちゃうの、ねえイっちゃうの、魅ぃちゃん!?」
「そ、そんな! レナ、私……私」
「イくならちゃんと言って。でないとイかしてあげないから! ちゃんと言わないとずっとこのまま」
「いやぁ。嫌だよ、レナ……レナぁ」
「口からヨダレまで出ちゃって。もっと素直になればいいんだよ、だよ」
「はぁはぁ……レナぁ」
「……魅ぃちゃん……」
 そうして私達はお互いの唇を再び重ね百足のように動かせながら奉仕。
 今度は魅ぃちゃんの方から耐えきれず唇を離し、そして言った。
「レナぁ……イかせて。私をイかせて!」
 潤んだ瞳で私にそう訴える魅ぃちゃん。
「いいの? 親友にイかされるんだよ!? それでもいいの!?」
「いいの! 私、もう、ぁ……ん……きゃ……アソコが……」
 魅ぃちゃんの口から卑猥な言葉が、喘ぎが聞こえる。
 とてもかぁいい。
「うん、ならイかせて上げる! イちゃって、魅ぃちゃん!」
 刹那。
 魅ぃちゃんの身体は痙攣し、アソコから愛液が吹く。
 魅ぃちゃんは高揚した、うっとりとした表情を浮かべながら、虚ろな瞳を天井に浮かべてた。
 でも、
「イっちゃったんだね。魅ぃちゃん。かぁいい……でも今度はレナの番。レナを気持ちよくして」
 私は両手でアソコを開いて魅ぃちゃんに見せる。
 こうして私達はお互いの性器を弄る。
 お互い弄りながら気持ちいいことをする。
 そうして、現実から逃避する。
 現実は凄く痛いから。
 だから快楽に溺れる。
 そして、また。
 ………………ぁ。



 
 いつからお互いの身体を貪るようになったのだろう……。
 それまでは本当に友人で、親友で、掛け替えのない友達だったのに。
 圭一くんが魅ぃちゃんの彼氏になってから?
 ……どうだろう。そうかもしれないけど……でも。
 私がそう耽っていると耳元から心地よい口笛が聞こえてきた。
 それは優しいハミング。
 顔をその方向に向けるとそこには魅ぃちゃんが歌っていた。
 否、口笛だから歌っているという表現は違うかもしれないけど……。
 魅ぃちゃんは私に気づいた。
「あ、レナ。やっと起きた」
「……うん。魅ぃちゃんがテクニシャンだから気絶しちゃったんだよ、だよ」
「ぁ…………お、おじさんはそんなにっ」
 魅ぃちゃんは顔を赤らめながら口籠もっていた。そんな仕草がとても可愛い。
 魅ぃちゃんは男勝りで勝ち気な性格で下品なことをよく口にするけどでも、それはあくまで見かけだけ。
 だって魅ぃちゃんは純情なんだもの……そう、私と違う。私は……私はみんなが思っているほどいい子じゃないから。
「ふふ……でも、魅ぃちゃん。一つ訊いていい?」
「ん。なに、レナ?」
「魅ぃちゃんは……どうしていつも私と一緒にいるの?」
「……………………」
 魅ぃちゃんは答えなかった。
 何も答えなかった。
 私はさらに問う。
「だって魅ぃちゃんは……圭一くんの彼女でしょ!? 彼女なら……その、圭一くんとイヤラシイことしているんじゃないの!? 一緒にいたいんじゃないの!? それなのにどうして私と一緒に……こんなことまでしているの……」
「………………」
 それでも魅ぃちゃんは答えなかった。
 何も答えなかった。
 魅ぃちゃんは圭一くんと彼氏彼女になった。
 傍目から見ればとても幸せそうに見えた。まさに理想のカップルだった。
 でも……魅ぃちゃんに圭一くんのことを訊くといつも虚ろな表情を浮かべていた。
 それは哀しそうな、儚い顔。
 ただ魅ぃちゃんが興宮の学校に進学のため雛見沢から離れてからだろうか。
 私と一緒にいる時間が多くなった。
 そして今ではどちらからともなくお互いの身体を……。
「ね、それよりもレナ。私からも訊きたいことがあるんだけど」
「ん。あっ……なにかな、魅ぃちゃん?」
「……ちゃんと人の話聞こうよ、レナ」
「そんなこと空気がよめない魅ぃちゃんに言われたくないんだよ、だよ」
「ちぇー。どうせおじさんは空気なんて読めませんよーだ」
 茶化したように魅ぃちゃんは言った。
 その様をみて私は笑みを浮かべた。
「で、魅ぃちゃん……訊きたいことって、なに?」
「……レナ。引っ越し、いつなの?」
 淡泊な口調で質問する魅ぃちゃん。
 そう、私は引っ越しをする。
 お父さんの就職先がやっと決まったのだ。それはとても嬉しいこと。
 お父さんが頑張った証拠。お父さんのことを社会で必要とされた結果。
 でも、就職先の紹介は他でもないお母さんからだった。経緯は知らない、知りたくもない。
 私はそのことでお父さんと毎日口論した。
 抵抗の印にしばらく顔を合わせなかった時もあった。
 だけど、最終的には私が折れる結果となった。
 だって……お父さんの目は本気だったから。
 そんなお父さんの本気の目を見たら……もう反論なんてできなかった。
「二週間後……もういろいろと準備している最中なんだ」
「茨城だっけ……寂しくなるね……」
「そうだね…………」
 私達は無言になった。
 この怠惰な時間もあともう少し。
「ねぇレナ……」
「ん。何かな魅ぃちゃん……」
「……心残り、ない?」
「はぅ。もう、宝物探しができないことが心残りなんだよ、だよっ!」
「……違うよ、私が言っていることは」
「…………………ないよ、心残り。これで魅ぃちゃん達と今生のお別れ、てことでもなから……」
 私はそう訥々と答えた。
 言っていることに嘘はない。
 でもその言葉は真実でもない。
 心残り……それは圭一くんとひとつになりたい、ということ。
 圭一くんに告白したい、ということ。
 でもそれはもう叶わない。
 だって圭一くんは魅ぃちゃんの彼氏なんだから……。
 私達は乱れた布団の中、二人横になって天井を眺めていた。
 でも私と左手と魅ぃちゃんの右手はぎゅっと握っていた。
 



 魅ぃちゃんが帰った後私は部屋の整理をしていた。
 部屋が少しつづ片付く感覚は清々しくもあり、でも何かが片付いて、家の中から消えていくということに寂しさも同時にこみ上げてくる。
 今まで家にあったものが荷造りして、徐々に私の家から消えていく。
 それは今まで一緒に過ごして、ありふれた日常にあるものがなくなるという憐憫。
 あのかぁいい宝物も全てゴミに戻る、と思うと胸が苦しくなる。
 だから結局のところ、私は自分勝手なんだと思う。
 ケンタくん人形を茨城に持って行くことなんて出来ないからね。
 ホント……自分勝手。
 その時ふと瞳を落とすとそこにあったのはちっちゃな木箱のオルゴール。
 凄い綺麗な木箱で見ているだけでかぁいい衝動に駆られる。
 こんなのここに置いてあったけ?
 宝の山から発掘したにしては綺麗過ぎるし。
 たぶん箱の蓋を開けると音がなるみたいのオルゴールだと思い、開けようとするけど蓋が開かない。
 両手で一生懸命しても開かない。
 少しでも空間ができれば物差しとかを入れてテコの原理で開くことができるかもしれないけど接着剤でくっつけたかのように密着している。
 次第に手で痛くなってきた。
 両手は赤く腫れていた。
 私ははぁと溜息を吐き、開けるのを断念した。
 お父さんも家にいれば手伝ってくれることもできたかもしれないけど、今お父さんは茨城に行って引っ越しの手続きなどで家にいない。
 まぁお母さんから紹介した仕事だ。
 あまりいいものではないと思うけど……。
 でも理解できない。
 お父さんはどうして雛見沢から去るようなことをしたのか。
 そしてどうして私はそれに了承してしまったのだろうか。
 その自問自答はいつも繰り返す。
 それはオルゴールのように繰り返す。
 でも、答えなんてでない。
 そうして着実と引っ越しをする日が一日一日進む。
 茜色の夕日が私を照らしていた。
 



 それから一週間後。
 今日は分校で私のお別れ会。
 圭ちゃんや沙都子ちゃんや梨花ちゃんや羽入ちゃん、他のみんなも私のためにいろいろとしてくれた。
 詩ぃちゃんや魅ぃちゃんも途中で合流してそれは盛大はお別れ会だった。
 久しぶりに部活を楽しんだ。
 圭一くんの水着姿が久しぶりに見れてかぁいいかった。
 やっぱりこれがいい。
 これがいい。
 私は心の底からそう思った。
 でもこれは一瞬。
 今の一瞬。
 楽しいからこそ、一瞬。
 みんなが楽しむからこそ一瞬。
 だからなのだろう。瞬く間に楽しい時間は終わった。
 それは歌のような短さ。
 私の胸がまたぎゅっと締めつける。




 夕刻。
 私と圭一くんが分校に残っていた。
 お互い並んで夕日を眺めていた。
 学校には誰もいない。
「それにしてもなんなんだろうな」
 圭一くんが言った。
「どうして罰ゲームが『俺とレナと二人で日が落ちるまで分校にいること』なんだよ。あいつ絶対に隠れて見ているんじゃないのか?」
「あはは。魅ぃちゃんだったらありえるね」
「たくよ……」
「…………」
 罰ゲーム。それは圭一くんが言ったように分校に残ること。
 でも魅ぃちゃん達は多分いないと思う。
 だって玄関まで見送りしたのだから。
 帰り際私を見つめる魅ぃちゃんの何とも言えない瞳が印象的だった。
 圭一くんはどこかそわそわしていた。
 私もどこかそわそわしていた。
 意識している。
 圭一くんは私のことを意識している。
「ねぇ、圭一くん」
「ん。どうしたレナ? 何か訊きたいことでもあるのか?」
「うん……あのね、圭一くん。魅ぃちゃんと……うまくいってる?」
「…………………」
 私の言葉に圭一くんは無言だった。
「け、圭一くんと魅ぃちゃんは彼氏彼女でしょ? そうだよね?」
「…………そうだな」
 先ほどまでの圭一くんと違いその表情はどこか諦観だった。
「…………圭一くん。魅ぃちゃんのこと、愛してないの? だって圭一くんと魅ぃちゃんは彼氏彼女なんでしょ?」
「…………愛している…………そうだな。愛してる」
「……圭一くん、ヘンだよ。どうして愛しているのにそんな顔をするの? そんな……恋人同士なんだからもっとそれらしいことしないの? もっとカップルらしくいちゃいいちゃしないの? 圭一くん、ヘンだよ。ううん、圭一くんだけじゃない。魅ぃちゃんもそう……だって……魅ぃちゃんは……魅ぃちゃんは……」
「レナと最近一緒にいるんだよな」
 その言葉に私は言葉を失った。
 圭一くんは私と魅ぃちゃんが一緒にいることを知っていた。
 ち、違う。
 これは、その、親友として……私と魅ぃちゃんがそういう関係とは言っていないじゃない。
 落ち着け……落ち着け、竜宮レナ。
「………うん、一緒にいるよ。その…………」
 その時圭一くんは私に近づいてきた。
 そして圭一くんの右手が私の大事なところを軽く当てるように触ってきた。
 思わずきゃあと乾いた悲鳴を上げる。否、それは悲鳴というような吃驚した嬌声だった。
「その、圭一くん……どこを触っているの?」
「……レナが嫌ならこのまま悲鳴を上げてもいいんだ。レナが嫌なら俺はもうこれ以上のことなにもしない」
「どうして……圭一くん、どうして? だって圭一くんには魅ぃちゃんっていう彼女がいるじゃないっ! レナなんかよりもスタイルがよくて、美人で、料理上手で、見かけは男っぽくしているけど実は一番女の子っぽくて……しかも園崎家頭首っていう肩書きもある女の子なんだよ。そんな女の子の恋人が圭一くんなんだよ。なのに、どうしてこんなことをするの……するの……レナ、理解できないよ……理解、できないよ」
 圭一くんは何も答えなかった。
 圭一くんはもう知っているのだ……私と魅ぃちゃんがそういう関係だということを。
 圭一くんと魅ぃちゃんの間に擦れ違いがあることを。
 それが私は嫌だった。
 だって圭一くんと魅ぃちゃんは理想のカップル。
 友人の私から見てもそれは理想なカップル。
 なのに、こんなこと……嫌。
「レナ……俺のこと軽蔑しているか。魅音と付き合っているのにお前にこんなことをしている俺を軽蔑しているか。軽蔑してくれるならそれで構わない。いや、いっそその方が嬉しい……」
「……軽蔑するよ。軽蔑したいよ……でも、レナ……私判らない。本当に判らないのぉ……私、私ぃ……」
 いつの間にか瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。
 私は両手で顔を押さえて泣く。
 こんなの私の知っている圭一くんじゃない。
 こんなことをする圭一くんを軽蔑したい……軽蔑したい……けど、できない! ……私、できないよっ!
「レナ…………」
 圭一くんはそう呟いた。心配しているとも憂いでいるとも取れるような曖昧な表情。
 そして、私は。
「…………レナっ」
 圭一くんが私の大事なところを当てていた手を右手で押し当てて、左手で圭一くんお大事なところを触っていた。ズボン越しだけど少し固いのが判った。
「私……いいよ。圭一くんに好きにされても。抱かれても……いいよ」
「……………いいのか。レナ。だって……」
「いいよ。これで圭一くんのこと、軽蔑できるから……」
 私はそう言い切った。
 否、多分例え抱かれたとしても軽蔑なんてできない。
 それは判っていた。
 でも今は圭一くんに抱かれることに欲した。 
 理由なんてない。
 ただそれだけの理由。
 圭一くんは頷いてからゆっくり私に近づいてキスをした。
 それは蕩けるようなキス。
 魅ぃちゃんの唇とはまるで違う。
 舌遣いも、全然違う。
 圭一くんの舌が私の舌を奉仕する。
 百足のように蠢きながらびしゃびしゃと音が鳴る。
 とても卑猥な音。
 とても恥辱な音。
 でも目の前に圭一くんがいる。顔を赤らめながら、荒い息遣いをしながら。
 興奮している。こんな私に。
 興奮している。こんな私も。
 圭一くんには魅ぃちゃんという恋人がいるのに、私達はそれを背いている行為をしている。それは罪悪感と同時に禁忌を犯している感じがして……凄く興奮してきた。
 刹那圭一くんの手は私の胸を貪るように触る。荒々しい手つきで触っている。
 同時にもう一つの手はスカートの中に入り、私のパンツを直に触ってきた。
 スカートはぐちゃぐちゃ。
 皺だらけ。
 私、圭一くんに犯されている。
 ……でも私はそれでよかった。むしろもっとして欲しかった。
 圭一くんの唇はゆっくりと私から離れる。
 唾液が絡み合ってぐちゃぐちゃ。
「はぁ……はぁ…………」
「…………きゃ…ぁ……あんまり触らないで……圭一くん」
「触らないって……どこだ……レナ、言ってみろよ」
 紅潮した顔で圭一くんは言った。
 その言い方は凄くいやらしい。
「……な、なんで言うのだろ、だろ……きゃっ」
「言わないのかよ……言わないのならこのままだぞ……」
「……圭一くんのえっち……ぁ……」
 圭一くんが私のパンツ越しに触るアソコをさすっている。上下にゆっくりさすっている。
 それが酷くもどかしく、そしてじれったい。
 もっと触って欲しい。
 もっと弄って欲しい。
「け、圭一くん……触って……私のアソコ……」
「アソコってどこだ?」
「圭一くんって……おじさんっぽいよ……」
「……レナが言わなきゃずっとこのまま」
「きゃ…………はぁはぁ……圭一くんの、意地悪。レナの……オマンコに触って」
「ん……聞こえなかった。もう一度言って」
 圭一くんは意地悪っぽくそう言った。
 私は顔を真っ赤にした。湯気がでそうなほど熱い。
 耳たぶが熱い。
「……オマンコ、触って……もっとレナのオマンコを触って。もっとレナのオマンコに触れて!」
 大声で……言った。
 すごく恥ずかしかった。
 とても恥ずかしかった。
 途端圭一くんは私を机の上に座らせて股を開かせた。
「やぁ……け、圭一くん……見ないでっ!」
「ふふ。レナったらなんだかんだ言いながら濡れているな。もうパンツがぐしょぐしょじゃないか」
 圭一くんがいやらしい口調でそう言った。
 私はそれを聞いて恥ずかしくなって両手で顔を隠すが、圭一くんは荒々しい手つきで私の手を顔から剥がす。
 その構図は私が圭一くんに犯されているみたいだった。
 その間にも圭一くんは私のパンツをゆっくりと脱がしはじめた。
「や、だめぇ……」
「……ならここまでで俺はいいんだぜ……」
「…………いじわるぅ」
 にやりと圭一くんは笑った。本当に意地悪……。
 そうしてパンツを脱がせた後私のアソコが圭一の双眸に露わとなった。
 とても恥ずかしい。恥ずかしい。
「レナ……凄いな。凄い綺麗だ」
「きゃ……そ、そんないやらしい触り方しないで……やめてよぉ……」
「そうか……なら」
「……う~いじわる、しないで……」
 私は上目遣いをしながら圭一くんに頼んだ。それを見て圭一くんはごくりと唾を飲み込む音が聞こえた。
 ……圭一くんの目、凄くいやらしい。
 私のことをもっと触りたいと思っている目。
 私のことをもっと弄りたいと思っている目。
 私のことをもっと犯したいと思っている目。
 とても淫靡で卑猥で屈辱的で……でもすべてがどうでもいい気分。
 もっと圭一くんに触ってほしい。
 もっと圭一くんに弄って欲しい。
 もっと圭一くんに犯されたい。
 そんな高揚した気分の最中、圭一くんは私のアソコにゆっくりと指を入れた。
 私は思わず喘ぎ声が漏れた。
 それを聞いて興奮したのだろうか、圭一くんは今度は舌で私のアソコを舐めてきた。
「はは……レナ、感じやすいんだな」
「あぁ……きゃ……ん……はぁ……はぁ……」
「…………もっとレナのこと苛めたい」
 途端圭一くんは私が着ているセーラー服をたくし上げると手慣れた手つきでブラジャーのホックを外し、そして圭一くんの目の前に私の胸が露わになった。
「や、やだ……圭一くん、そんなにレナの胸見ないで欲しいんだよ、だよ……」
「どうして?」
「だってレナ……魅ぃちゃんほど胸多くないから……」
「なんだ、レナ。胸の大きさにコンプレックスがあるのかよ」
「…………………ばか」
「俺は好きだぜ。レナの胸」
「…………………………」
 私は何も言えなくなってしまった。
 だって圭一くんが真顔でそんなことを言うから、顔が火照ってしまって反論したくてもできなくなってしまった。
 圭一くんは私の胸を触る。
 鷲掴みにする。
 乳首を赤ちゃんのようにしゃぶるように舐める。
 ……ちょっと違うかなぁ。圭一くんは乳首を舐める際に舌を使っているし。
 でも圭一くんのする全ての行為がいやらしい。
「きゃ……け、圭一くん……指…ぁ……あぁ……きゃ……」
 私は嬌声を上げる。
 圭一くんの指は私をアソコを触っている。
 いつの間にかくちゃくちゃと音が奏でていた。
 多分感じてきたのだろう。息遣いも荒くなってきた。
「……レナ、イっちゃえよ」
「……ん……や……そ、そんなこと。きゃ。だって、レナ、け、圭一くんの前で、あぁ、い」
「いいんだぜ……ほら」
 そうして圭一くんは私のアソコに指をさらにぐちゃぐちゃと音を鳴らせながら弄る。
 刹那身体の奥底から倦怠感と快感が一度に襲ってきて、そして私は。
「い……ぁ……」
 身体を痙攣させながら、私はイってしまった。
 アソコから愛液が零れる。
 圭一くんも凄い興奮した顔で私のことを見下していた。それがまた凄くいやらしい。
 そんな圭一くんを見ているとなんだか無性に腹立たしくなってきた。
 だから今度は私の番。
「な……レナ……」
「……レナ、圭一くんの前で見られてすっごい恥ずかしくなったんだから、今度はレナの番。レナが圭一くんのことをいっぱい苛めてあげるんだよ、だよ」
 唖然としている圭一くんを余所に私は圭一くんのズボンを両手で触る。
 圭一くんはまたごくりと唾を飲み込むとズボンと次いでトランクスを下ろして私の目の前に圭一くんの勃起している逸物が現れた。
 逸物というべきそれは私は昔お父さんと一緒にお風呂に入ったときの時にみた印象が強く圭一くんのそれは凄くいきり立っていた、というのが第一印象であった。
 はぁはぁと圭一くんは声を漏らす。私が、女の子が自分の逸物をみられているという羞恥と、そして彼女である魅ぃちゃんならともかくその友人である私がこのような状況を犯しているというある種禁忌に触れているような背徳感があり、それがより興奮する状況を作り上げているのだろう。
 それは私も同じ。
 私はゆっくりと圭一くんのそれに顔を近づける。ぎんぎんに逞しく、手で触れると凄く熱い。
 刹那圭一くんの呻いた声が聞こえてきた。感じているのだろうか……私に。
 それを思うと私は悪戯心が芽生えてきた。圭一くんのそれに初めは軽めのキスをした。そして次に舌を這わせてそれを舐める。
 圭一くんの感じている声が私の耳に届く。
 私は圭一くんの顔を上目遣いしながら見た。
「どうかな? これでいいのかな、かな?」
「ああ、いいぞ……」
 圭一くんは感じている。顔を真っ赤にして私が圭一くんのそれを舐めた途端身体もびくんと動く。
 それは凄くかぁいい光景。
「ねぇ、圭一くん。レナ何かしてほしいことあるのかな、かな?」
「…………ねぇよ」
「……本当かな、かな。だって圭一くんのここ、すっごくびくんびくんって感じているよ。もっとレナにして欲しいことあるんじゃないのかな、かな」
「…………」
 顔を紅潮した圭一くん。
 口には出さないけど顔には何をして欲しいか表れていた。
 でも、だめ。
 私は圭一くんに言わせたい。
「……レナ……舐めて欲しい」
「舐めて欲しいって? レナが聞こえるようにちゃんと言って?」
 満足顔の私。凄く紅潮している圭一くん。
 形勢逆転。
「レナ……俺の……チンコを舐めてもらえるか」
「ふふ……かぁいい~じゃあいくんだよ、だよ?」
 そうして私は圭一くんの逸物をゆっくり舌で転がした後、咥えた。
 まるで異物を口に含んだかのような感触。
 でも口の中でどくどくと脈の打つ鼓動を感じる。
 喉が詰まりそう。
 でも、圭一くんは興奮しているのだろう。
 今まで友達だった、そして彼女である魅ぃちゃんの親友である私の口に自分の逸物を突っ込んでいるという常識では考えられない行為。
 圭一くんが呻く声が聞こえた。
 次いで息が荒くなる。
 ふふ。すっごくかぁいいんだ。
 私はピストン運動を繰り返す。
 圭一くんの呻く声が聞こえる。
 もっと聞きたい。
 ずっと聞きたい。
「レナ……もう、いい」
 圭一くんはそう言った。
 どうしたのだろう? 私は圭一くんの逸物から口を離すと怪訝な表情を浮かべながらどうしてと訊いた。
「レナ……レナの中に入れたい」
 圭一くんは、そう言った。
 私はしばらく顔を紅潮させながらこくんと頷いて、机の上に乗っかり股を開いた。
 それはとてもはしたない姿。
 一人でもこういう姿はあまりない。
 でも今私は圭一くんの前でそれを見せている。
 大好きな圭一くんの前で。
「レナ……いくぞ」
 興奮しながら圭一くんはそう言うとゆっくりと私のアソコに近づいてくる。
 圭一くんの逸物はギンギンに硬直しており、まるで鉄でも入っているかのうように逞しい。
 それを見て私は少し怖く感じた。
 圭一くんの逸物が私のアソコに入る、だなんて……凄く怖い。
 刹那。
 圭一くんは私のアソコのヒダにめり込むように入れ……そして
「いたぁっ…………」
 私は思わず声を出してしまった。
 痛い。
 圭一くんのそれはまだ入り口ぐらいしか入っていないはずなのに、すでに痛覚を感じる。
「レナ……痛いか」
 私は涙目になりながら首をこくこくと頷く。
「そっか……でもな、レナ。このままだともっと痛いから……一気にいくぞ」
 え? と私が唖然がした刹那。
「ぎゃ……った………」
 股間の先から圭一くんの逸物が私のアソコを貫く。
 痛い。
 第一印象はそれのみだった。
 また圭一君の逸物に私のアソコを覆っていた膜を突き破った証拠として血が僅かに絡みついているのが見て取れた。
 これで私は女になった、という高揚感はなくあるのは単純なる痛みだけ。
 眉を潜ませ、そして涙目をしている私。
 その表情を見て、圭一くんは心配した表情を浮かべた。
 だけど私はそんな表情をする圭一くんの顔を見るのが嫌だった。
「はぁ……いいよ。圭一くん……ゆっくりでいいから……動いて……」
 本当はもう少しこのままでいたかったけど心配している圭一くんの顔を見るのはもっと嫌。
 だって興奮するシチュエーションなのに、冷めた顔をしていたら……こっちまで気が滅入るから。
 どうせ後に残るのはどうしようもない背徳感と自己嫌悪。
 だから、せめて繋がっている間だけは、それを忘れたかった。
 魅ぃちゃんの時と同じように……私は快楽に溺れて、回避したかった。
 圭一くんはしばらく逡巡した後、頷いて腰をゆっくり上下運動を始めた。擦れる度に痛覚が感じたが徐々にそれは薄れていった。
 代わりに私のアソコは感じ始め、いつのまにか口から吐息が漏れ始めた。
「圭一くん……もっと、動いて」
 私は圭一くんに求めた。
 圭一くんはその言葉に従順するように腰をさっきよりも早く動かす。
 流石経験者というべきかその腰使いは音がなり、卑猥な音が私の鼓膜に届く。それは圭一くんも同様で興奮している。
 私も……痛みは完全に引き、そして快楽に溺れ始める。
 ぱんぱん、と音がなる。
 ぐちゅぐちゅ、と音が奏でる。
 その音に、その行為に、そのシチュエーションに私達は興奮し、お互いを求めた。
 それはとても心地よい時間。
 魅ぃちゃんとしている時も気持ちよかったけど、でもそれとは大違い。
 男の人に抱かれている、ということ。
 初恋の人に抱かれている、ということ。
 魅ぃちゃんの彼氏なのに抱かれている、ということ。
 それらが思考するも、すべてがぐちゃぐちゃに韜晦し、絡め合い、結果理性を壊す。
 だから私は果てるのが嫌だった。
 もっとこのまま感じていたかった。
 でも……。
 圭一くんが声を呻らす。
 もうすぐイきそうなんだ、と瞬時に理解した。
 私の膣で圭一くんの逸物はさっきよりも大きくなっているのがその証拠。
「はぁ……圭一くん……イって。私の膣の中に……」
 圭一くんは私の言葉にウンともスンとも言わなかった。
 ただイくために上下に腰を動かす。
 そして、
 圭一くんは私のアソコから逸物を取り出す刹那、先端の空洞から凄い勢いで白い液体が飛び出た。
 それは精液とすぐに判った。
 私の身体は圭一くんの白い精液を一杯浴びた。
 そして瞬間、私もイく。
 全てが呆然とし、身体が痙攣。
 荒い息遣い。
 それが終わると同時に……私達の行為にも終焉を迎えた。
 それは酷く長いようであっという間。

 落ち着くと私は身体にかかった圭一くんの白い精液を手にとる。少し舐めてみる。苦い。
 これは圭一くんが私にいっぱい感じてくれた証拠。それは凄く嬉しいこと。
 でも圭一くんは膣の中に出して欲しい、という私の要求を拒んだ。
 それは……その行為で全てを悟ってしまった。
 だからふと、私は瞳から涙が出てきてしまった。
 圭一くんは凄い心配した顔をしながら「大丈夫か」と訊いてきた。でも私は答えられない。
 圭一くんは困っている。
 その光景が凄い嫌。
 嫌なのに私は涙を止めることができず、このまま泣く羽目になった。
 ……恥ずかしいなぁ。




 行為を終えた後私は乱れた制服を綺麗に整えた。やっぱり皺だらけ。
 まぁ今日で分校ともお別れだし、いいかな。
 それにしても後始末をしている時は行為をしているときのような興奮は冷め、後にはむなしさだけが残る。
 それは圭一くんと行為をした時も魅ぃちゃんとした時と一緒。
 結局私は同じ事を求めていた。
 魅ぃちゃんに求めていたことを、圭一くんに求めた。
 閑話休題。
「ふう、これでなんとか元通りになったな」
「そうだね。でも元通りにならないのもあるよ」
「ん。なんだよ、それ」
「……レナ」
 そう俯きがちに言うと圭一くんは一瞬で顔が赤くなった。
 本当にかぁいい。
「……レナ。もしかして……嫌だったか」
 圭一くんの問いに私は首を左右に振る。
「違うよ。だってそれを求めたのはレナだもん。圭一くんは悪くないよ」
「……レナ。これで俺のこと、軽蔑することが、できたか?」
「あはは……やっぱり駄目。できないよ」
「…………そうか」
 圭一くんは訥々とそう言った。
 私は相槌を打つように頷く。やっぱり軽蔑はできなかった。それは判っていた。
 行為をしなくても、それは判っていた。
 でもこれはけじめ。
 圭一くんの想いとのけじめ。
 だって圭一くんと魅ぃちゃんは理想のカップルだから。
 それは今でも変わらないから。
「……それにしてもこんなところを魅ぃちゃんが見たらどう思うかなぁ」
「どうって、そりゃあ……修羅場になるだろうな」
「あ、圭一くん。判ってないなぁ。園崎家頭首の友人を手籠めにかけたんだよ、だよ。多分指の一本や二本ぐらいはへし折る覚悟をしないと駄目なんだよ、だよ!」
「そりゃ……ものすごい修羅場だな。まるで昼ドラだな」
「あはは。圭一くん覚悟しておいたほうがいいんだよ、だよ」
 圭一くんと私はそんな会話を楽しんでいた。
 端から見れば私達は三角関係。
 言ってみれば修羅場。
 圭一くんは最低の男。
 なのに私も、圭一くんもそれをネタにしながら楽しく会話している。
 多分実感がないんだと思う。私も、そして圭一くんも。もしかしたら魅ぃちゃんもそれを感じているのかもしれない。
 ……多分感じているんじゃないかな、と思う。
 だって私といつもあんな関係をしているのだから。
 イケナイことをしているのに、それをリアルと感じられない。
 これは恋なのだろうか。
 これは愛なのだろうか。
 ……多分違うと思う。
 これは、そう、ママゴト。
 ママゴトの延長。
 その結果がこれ。
 だから私も圭一くんも楽しんでいるんだ。
 窓の外を見るといつの間にか日は沈んでいた。
「……さて、そろそろ帰るか、レナ」
「うんっ!」
 私達はそう言いながら分校を出た。
 それはいつもみたいに部活をした後の帰りのような当たり前。
 
 それから私達はいつも通り会話しながら一緒に下校している。
 端から見たらどう見られるだろうか。
 カップル?
 友達? 
 それとも……。
 その時圭一くんの足が止まった。目の前には分かれ道。
 左右分断の標識。
「レナ……いままでありがとよ」
「け、圭一くん。いきなり何言っているの?」
「何って、そりゃあ」
「圭一くん。レナとこれでお別れだなんて思っているでしょう? 今生の別れじゃないんだよ、だよ」
「それはそうだけどさ、でも一応言っておかないと」
「もう、圭一くんったら。絶対に引っ越ししたらすぐに連絡してあげるんだからっ!」
「そこ、怒りながら言うところか?」
 困惑気味の圭一くん。それを見て私はぷっと笑った。
 そう、これで別れじゃないけど、でもお別れ。
「ねえ、圭一くん。レナの頼み、訊いてくれる?」
「ん。なんだよ、頼みって」
「……魅ぃちゃんともっと仲良くしてあげて」
「………………」
「だって圭一くんと魅ぃちゃんは……」
「そうだな……」
 呟くように圭一くんは言った。
 私には理解できなかった。
 どうして圭一くんと魅ぃちゃんがこんな風になったのか。だって二人は……。
「レナは一つ勘違いしているな」
「それはどういうことかな、かな?」
 私がそう訊くと圭一くんはなんとも言えない表情で答えた。
「俺は園崎魅音のことが好きだ。それは今も変わらない……けど、どうしようもないほど言いようのないものがあるんだ。好きなことは変わりない。けど、それだけじゃ駄目なんだ。本当の恋人ってのはそれだけじゃ駄目なんだ。それは判っている。でもそれに対する答えがわからない。だから俺も魅音もそれを探して……彷徨っているんだ」
「圭一くんも……魅ぃちゃんも?」
「ああ……まあそれは俺達が子供だから、と言ってしまえばそれまでなんだけどな」
 自嘲気味に圭一くんは笑った。
 刹那そうか、と私は理解する。
 あの時魅ぃちゃんが見せた憂鬱な表情のわけ。圭一くんが魅ぃちゃんに想う表情を見え隠れ。
 そして私が魅ぃちゃんの身体を攻めて、圭一くんに抱かれていることを欲したわけ。
 それは全て……空回りなんだ。
 好きなだけ。
 想うだけ。
 それらの感情が空回りが空回りを呼んで、そして行き着いた場所がここだったのだ。
「そっか……圭一くん……魅ぃちゃんのこと、好きなことは変わらないんだね」
「なんだよ。レナ。残念そうな顔をして」
「だって圭一くんならレナに鞍替えしそうだなぁと思って」
「鞍替えって、レナ……エロいな」
「……そうだね」
 私は笑った。本来の私なら自分の口からいやらしいことは言わない。
 当時は言いたくなかったんだけど、今はもういいかなと諦めた。
 諦める、というより認めた。
 だって私いやらしい女だもん。
 圭一くんはどこか引きつった笑みを浮かべていた。
「もしかして圭一くん、レナに惚れちゃったのかな、かな」
「……そうだな。惚れた」
「うふふ。でも駄目。圭一くんは魅ぃちゃんを大事にしてよね」
「……惜しいなぁ」
 そう笑みを浮かべる圭一くんは本当に悔しそうな顔をしていた。
 それを見て私もちょっと圭一くんに惚れ直した。
 やっぱり卑怯だよ、圭一くん。
 そこで会話は途切れ、そして。
「さて、レナ。じゃあな」
「うん。またね」
 私達は手を振りながら別れた。
 それはなんら変わらない日常の繰り返し。
 また明日との代わりにまた。
 たったそれだけのこと。
 そして同時に私の中で圭一くんに対する想いにやっと一区切りついたのだった。




 荷物は全部茨城に送り、それまで住んでいた家はものけの空。
 あとは私が茨城に行くだけ。
 魅ぃちゃんが興宮の駅のホームに見送りに来てくれた。
 本当は他のみんなもついて来る予定だったんだけどいろいろと詩ぃちゃんから止められたという。
 なんでなんだろう。
 そのことを魅ぃちゃんに訊いてみた。
「だって私達って友達でしょ? 当然じゃない」
「はぅ。当然なのかな、かな」
「ひゃっひゃっひゃ。あ、それともおじさんとレナのフラグ立てる? その筋の人にはかなり食いつくと思うよ」
 魅ぃちゃんは笑いながら言った。
「その筋ってどんな筋なのかレナ判らないよ」
「判らないって、あんたね……いつも夜おじさんのことをあんなことをしてよく言う」
「だってそれは魅ぃちゃんが欲しそうな目でレナのことを見るから」
「しーっ! レナ、声が大きいよ!」
 魅ぃちゃんが顔を真っ赤にしながらそう言った。
 周りを見ると私達の姿をなんとも言えない表情で見る人達。
 途端私も顔を真っ赤にしてしまった。
「うう。魅ぃちゃんのせいなんだからね。魅ぃちゃんのせいでレナ、いやらしい女の子になっちゃたんだよ、だよ」
「……いや、それは天性の素質だと思うけど」
 曖昧な表情を浮かべる魅ぃちゃん。
「ねえ魅ぃちゃん……レナ達ってそういうの関係なのかな」
「……そういう関係って、おじさんとレナが、ってこと? そりゃないでしょう。端から見ればそう見えるかもしれないけどね。おじさんとレナがそういう関係を期待している人って言うのは多分神聖なとか女性同士だから、とかよくわからない理由で美化しているんじゃないのかな」
「圭一くんのお父さんとか結構そういうこと考えそうだよね」
「圭ちゃんもそうだよね。男は女子校とかそういうのに神聖な何か期待しているんだろうね。おじさんとレナとかおじさんと詩音とか梨花ちゃんと沙都子とか、梨花ちゃんと羽入とか。全部幻想だっていうのにね」
「……魅ぃちゃん、なんか凄いストレートに言っているね」
「じゃあレナはおじさんのことどう思っているの?」
「どうって、やっぱり友達かな」
「そ。おじさんレナとも同じ。つまりはそういうこと。ようはあれだねサンタクロースみたいな感じ」
 魅ぃちゃんはそう言い切った。
 なんだか魅ぃちゃんの言い分はもっともだけど、サンタクロースと同じは言い過ぎかもしれないなぁ。
 刹那魅ぃちゃんが笑った。私も釣られて笑った。
 程なくして電車がホームに到着した。
 そして。
「さて、レナ……お別れだね」
「うん。ねえ、魅ぃちゃん……一ついい?」
「いいけど、なに?」
 そうして取り出したのはオルゴールだった。それは前に家で見つけた蓋の開かないオルゴール。
 あれから何度も押したり引いたりして、圭一くんにも頼んだけど結果は変わらない。
 全く開くことができなかった。
「ふうん。で、それとおじさんが関係あるの?」
「あるの? ってこれ魅ぃちゃんが作ったものじゃないの?」
「え? どうして?」
「だってこの前魅ぃちゃんが来る前はこんなオルゴールなかったもの」
「それってあの宝の山から発掘したものじゃないの?」
 私は首を左右に振った。
「だってそれだったらもっと汚れているはずだもの。なのにこれは凄い綺麗」
「だったら何かにくるまれていたとか。だってこれだけ小さいんだから、その可能性はあるでしょう?」
「あるかもしれないけど、そこまでする理由はないよ。大体オルゴールを何かにくるむってそれ、かなり消耗した後でしょ? それなのにこのオルゴールは全くその形式はないの。ただ空かないだけ」
「……で、でもさ。それでおじさんを疑いをかけられちゃうの?」
「違うのかな、かな?」
「……………………はぁ。まったく、とんだ名探偵が身近にいたもんだね」
 魅ぃちゃんが頭を掻きながら観念した表情を浮かべて観念した。
 やっぱり魅ぃちゃんが犯人だった。
「で、魅ぃちゃん、これなんなの?」
「何って、オルゴールだよ」
「だから、そうじゃなくて」
「……プレゼントかな。レ、レナと面と向かってだと恥ずかしいから」
「それならどうしてひっそりとだったの」
「だって恥ずかしいから」
 そう言いながら魅ぃちゃんは顔を赤らめた。
 それにしてもどうしてオルゴールごときでそんな顔を赤らめる必要があるのだろう。
「はぁ……で魅ぃちゃん。このオルゴールどうやって開くの、押しても駄目だし、引いても駄目なんだよ。もしかして初めから開かないようにしていたの?」
「ん。それの開き方? それ、上から押して開くんだよ」
「え? 嘘? 上から押しても駄目だったよ?」
「え、本当。ちょっと貸してみて」
 そう言って魅ぃちゃんにオルゴールを渡した。
 そうして魅ぃちゃんは木箱のオルゴールを上から軽く押すと、オルゴールの箱はゆっくりと開き少しだか音が奏でた。
 その途端、魅ぃちゃんの顔は真っ赤になり急いでオルゴールの箱を締めた。
「ちょっと、レナ! ちゃんと開くじゃない!」
 激昂した表情をした魅ぃちゃん。
「魅ぃちゃん……オルゴールってそういうふうに開くんじゃないだよ。普通」
「え? そうなの?」
 私は頭を抱えた。いかにも魅ぃちゃんらしいオルゴールだった。
「それで、どうして魅ぃちゃんが顔を真っ赤にしているの……いい加減教えてよ」
「だって……それ、オルゴールの曲とか全部、おじさんが、作ったから」
 魅ぃちゃんは小さい声で言った。
「え? 魅ぃちゃんが、曲とか作ったの?」
「ああーもう! その話はいいでしょ!! レナ嫌いっ~!」
 刹那アナウンスが流れる。
「魅ぃちゃん……」
「ん。どうかしたの、レナ」
「……ううん。なんでもない」
 私は首を左右に振った。
 怪訝顔を魅ぃちゃん。
 そうして、発車する効果音がなった。
 ドアが閉まる刹那。
「○○○○○○○○、○○○○○○○」
 魅ぃちゃんは何か言った。
 だけど音はかき消され、私が見たのは魅ぃちゃんの口パクだけだった。
 そして、電車は動く。
 がたんがたん、と。
 程なくして駅から遠ざかり魅ぃちゃんの姿が見えなくなった。
 私はその場で呆然としていた。呆然というより、呆気にとられた。
 笑いがこみ上げてきた。
 なんとも締まらない別れ方だったから。
 私は空いている席に腰を下ろし、魅ぃちゃんからもらったオルゴールを蓋を開ける。
 今度は優しく上から抑えながら。
 オルゴールの蓋を開き音楽が奏で始めたが何人か私の方を見たのですぐにオルゴールを閉めた。
 申し訳なさそうに頭を下げて事なきをえる私。
 でも、そのメロディーは聞き覚えがあった。
 それは前に魅ぃちゃんが鼻歌で歌っていたのと同じだったから。
 とても心地よく、穏やかなメロディ。
 そして魅ぃちゃんの口パク。
『これからもずっと、友達でいようね』
 多分、そういったと思う。
 恥じらいながら言った魅ぃちゃん。
 私も多分、言うとなったら恥ずかしく思うかもしれない。
 でも魅ぃちゃんは言った。
 友達でいようね、と言った。
 私も魅ぃちゃんとずっと友達でいたい。
 このオルゴールは魅ぃちゃんから私への贈り物。
 たぶん魅ぃちゃんは私と圭一くんとしたのも知っているのだろう。
 でもそのことを口に出さなかった。
 知っていたから。
 圭一くんと私が行為をしたのがけじめだと、知っていたから。
 そしてそれに介入しないのが友達なのだと。
 それが正しいのかどうかは私にだって判らないけど、けど魅ぃちゃんは私のことを大切に持っているからこそ、オルゴールに託した。
 途端どうしようもないほど私は胸が苦しくなり、泣いてしまった。
 哀しいわけじゃないのに。
 修羅場ってわけじゃないのに。
 けれど私は泣いた。
 私はオルゴールをぎゅっと胸に押し当てた。
『これからもずっと、友達でいようね』
『……うん、これからもずっと友達でいようね』
 私は心の中でそう呟いた。
 電車はどんどん雛見沢から遠ざかる。
 そうして私は雛見沢の住人、竜宮レナがゆっくりと終わっていく。
 これから先、凄い不安なのは当たり前。
 でも魅ぃちゃんから貰ったオルゴールはとても暖かく、ぎゅっとしているだけオルゴールを聴いていなくても魅ぃちゃんが歌っているように思えた。
 魅ぃちゃんの歌声はずっと胸に響いていた。
 少なくても今だけはそう思いたかった。
 だってそれはとても……とても素敵な唄なのだから。
 

                                                      おわり

2008/07/07 19:08 | SSCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  

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