みぃたん体験版
この作品は『ひぐらしのなく頃に』ではありません
みぃたん体験版
お前の(・3・)で天を衝けっ!!
「おねえ。キモいですよ」
妹、園崎詩音はグットモーニングの代わりに魅音ちゃん的結構傷つく言葉をもらった。
「うるさいなぁ。いきなりキモいって」
「だってお姉、その等身大圭ちゃん抱き枕に抱きついている姿はちょっと引きますよ」
「(#・3・)う、うるさいなぁ! 詩音だって等身大悟史抱き枕のほかに等身大ポップを部屋に飾ってあってキモいじゃなーい!」
そのとき詩音の嘘くさい笑みからくけけけけ笑いの詩音に変貌した。
「あ、詩音、それだけは!」
「くけけけけ。お姉、私を怒らしたら怖いことは知っていますよね。だから思いのまま陵辱したいと思います」
「いや、やめて! きゃ!!」
「いきますよお姉。今日は私が攻めますので」
そうして私は少し熟れた表情をしながら、必死に抵抗した。でもだめだった。
で私の足をこちょこちょする詩音の攻撃を耐えていた。
(・3・)あれ? なんか違う想像しちゃった人いる? まあそれはおいといておこう。
それから詩音は物音にビクついて先に家を出た。多分婆っちゃこと園崎お魎と会わないようにしたのだろう。
ともかく私はやっとはぁと深い溜息をついた。
とふと時計に目をやると……もうすぐ8時。
やっばっ!
私は布団から出てすぐに着替えを始めた。わーん。いつもはもうとっくに着替えをしている頃なのにっ!
詩音のばかぁ〜! と愚痴をいっても時間はまっててくれない。
ということで私は制服に着替えて腰あたりまですっと伸びている長髪をひとつに束ねてポニーテールにし、登校準備は完了。
本当は寝癖とかないのかじっくり鏡で確認したいところだけどそれどころじゃない。
私はいつもこの時間帯が胸をドキドキさせる。
だって、圭ちゃんと今日も会えるのだから。
圭ちゃんこと前原圭一はとにかく面白い男の子。なにが面白いってやることなすことがなんだかいいなぁって感じ。
だからいつの間にか私は圭ちゃんのことが好きになっていた。詩音に相談するとお姉もやっと好きな人ができましたかと嘲笑しながら言っていたっけ。
嘲笑することないじゃーん。
私は坂を下りていつも圭ちゃんと同じクラスメイトの竜宮レナと待ち合わせした交差点にいく。
二人はすでに待っていた。
私は男勝りの口調で圭ちゃんに下ネタを吹っかける。レナにレナパンされる。そんな登校の風景。
私は二人が話している姿を見て素直にうらやましいと思う。レナは同姓の私から見ても可愛い。変なものに過敏し反応しちゃうけどそれはご愛嬌としてもレナだったら圭ちゃんの隣にいてもなんら違和感がないなぁ。
でも私は圭ちゃんの隣にいても不釣合。圭ちゃんの隣にいることは、恥ずかしいな。
「ん。どうしたんだよ魅音? 俺の顔に何かついているのか?」
「ん。いや、今日の圭ちゃん、溜まっている顔をしているからさ昨日は右手使わなかったのかな〜と思って」
「だったら魅音が俺を慰めてくれy」
圭ちゃんがそこまで言おうとした刹那レナのパンチが炸裂する。私と圭ちゃん。星まで吹っ飛んだ。
「はぅ〜、魅ぃちゃんも圭一くんも何を言っているのか、レナ判らないな、ないな!」
顔を紅潮させながらレナは言った。って判るでしょ、レナ……。合唱。
話が飛ぶけど私は昭和59年受験をするのだが、まあ正直に言うとやる気がぜんぜんなくて今日も放課後知恵先生に呼び出しをくらった。補習とかいっていたけど受験しなくてもラクショーなところ受けるからいいもん。
知恵先生はとほほと口で言いながら困っていた。困り果ててカレー園の様子を見にいった。私はその隙にそそくさと学校を抜け出した。
帰宅道。私ははぁと深い溜息をついた。また今日も圭ちゃんと一緒に帰宅できなかったなぁ。最近圭ちゃん達と一緒にいられないな。
なんだかんだ言ってももうすぐ卒業か…。
圭ちゃんは私のことどう思っているのだろう。私は圭ちゃんのことが好き。
なにか手段ないかなぁ……。
私はそう想いながら、いつの間にか口に出しながらとぼとぼと歩いていた。
とそのとき。
「みー! ストップなのです!」
聞きなれた声が聞こえた。
「ストップザネイティングギャルなのです!」
「……梨花ちゃん?」
夕日をバックに佇んだ格好いい梨花ちゃんの姿がいた。
とそこでちっちっちと軽快な舌打ちをしていた。
「魅音、誰がちゃんなのよ!」
なぜか怒り口調に変貌していた。
違うの?
「魅ぃ、否魅音。私のことは『梨花先輩!!』と呼びなさい!!」
…………(;・3・)あれぇー。
「あの、梨花ちゃん。急にそんなこと言っても、ねぇ。それ今日の部活の罰ゲーム?」
「魅音、情けない。貴女は私の後輩なのに」
私の話、まったくスルー。
なんだか話が見えないのですが。
梨花ちゃんが私にしゃがむように指示した。仕方なく私はしゃがんだ。そのとき梨花ちゃんが『蘇れっ!!!』といいながら私の唇にぶちゅーとしてきた。よにするにふぁーすとキス。あれぇー?
と、刹那。
唇から脳裏が伝播する。
そう、私は梨花ちゃんの後輩だった。
あの『雛見沢停留所』。
そして私はある台詞を言わずにはいられなかった。
「ありありありありありありあり!! ありですよ! 梨花先輩!!」
私は梨花ちゃん、否梨花先輩と目と目で合図した。ちなみに唇にぶちゅーしたのは梨花先輩曰くノーカウントということで私達は合意した。
「で梨花先輩。私に何か御用ですか」
「魅音。圭一のことどうにかしたいと思っているでしょう?」
私は吃驚した。図星だった。どうして梨花先輩私の考えていることを知っているの?
「くすくすくすくす。魅音の考えていることはお見通しなのよ」
「す、すごーい! ありありありありあり、ありですよ梨花先輩!! では何か方法があるのですか」
梨花先輩は首をコクンと頷いた。
そして一言。
「魅音。魔法少女になるのですよ!!」
「…………」
「…………」
「…………」
「あの、ひとつ聞いてもいいですか、梨花先輩」
「何、魅音?」
「なぜ魔法少女なのですか?」
「このSSを雛物の魔法少女カテゴリーにいれるためによ」
えーと。梨花先輩、話の意図が見えないのですが。とここで梨花先輩は詳しく説明してくれた。私が普通に魔法少女した傑作SS『魔法少女ラジカル魅音シリーズ』というのがすでにあるらしく、それに対抗するために私を魔法少女につもりみたい。で私に対抗する私ってどういうことなの?
その時梨花先輩が私の双眸を凝視した。
「魅音。お前を信じるな。お前を信じる私を信じろ!」
「あ、あ、ありありありありあり! ありですよ! 梨花先輩!」
私は梨花先輩のことを信じることにした。というか信じなきゃいけないきがした。
ともかく私は魔法少女になったのである。
で魔法少女になったはいいけど変身ステッキとかお約束の変身バンクとか期待していたんだけど梨花先輩曰く予算的になく(予算ってなに?)園崎家直流の洋服屋で見繕うことにした。
私の髪の色と同じ緑のひらひらのついたスク水に黒ニィソにウサギの耳をつけた。
で名前はみぃたん。
「あ、あの梨花先輩すごく寒いんですけど」
「だらrー」
梨花先輩はよだれをたらしていた。お約束で一度はやっておかなきゃと言っていた。なんのお約束なの?
「さあ魅音は見事魔法少女になったけどなにか意見ない?」
「えっとなんで私なんですか? 容姿的にも声質的にも梨花先輩のほうが」
「何をたわけたことをいっていやがるのですかこの馬鹿弟子パーンチ!」
ドガっとすごい音がした。ようはパンチをするに見せかけて私の足を踏んだんだけど私はパンチされた気になっていた。
「梨花先輩。なぜ」
「魅音……私が魔法少女になるのは雛物でもそれ以外でも消費されているのよ。それにこれの元ネタである『もえたん』も私の声の人がやっているのよ! いい!? 普通な魔法少女SSじゃ誰も幻想郷をやってやれないのよ!!」
「なら梨花先輩、私はなにをすれば」
「魅音。その姿で圭一の家にいきなさい! もちろん玄関から堂々とね!」
「(;・3・)あのーそれって魔法少女ではないのでは」
「それでも私の後輩なのローキーック!!」
思いっきりすねにローが当たった。躊躇なし。さすが梨花先輩だなぁ。
「魅音。もうひとつ大切なことを教えてあげるわ。それはね、魅音が魔法少女と思っていれば周りなんて関係ないのですよ! つまり魅音の心の中に魔法少女があることが大前提なのよ!!!」
ガガーンと衝撃音が鼓膜に響いた。そんな風に聞こえた。
そして私は
「ありありありありありありありありありあり! ありですよ、梨花先輩!!」
そういいながら圭ちゃんの家に行った。
圭ちゃんはドン引きしていた。圭ちゃんのお父さんである伊知郎さんはアトリエに行こうと誘ってきたが圭ちゃんのお母さんである藍子さんに耳をつねられてどこかに連れて行った。後で聞くと十角館にいかされたらしい。
「お前、魅音だろ」
「みぃたんです」
「お前、魅音だろ」
「みぃたんです」
「じゃあ、なんで梨花ちゃんいるんだよ」
「…………」
梨花先輩は返答に困った。私はともかく梨花先輩は普段どおりの服。つまり何も変身していない。この場を梨花先輩はどう乗り切るのだろう。
「あ、それじゃあこれから先はみぃたんに任せるわね」
バンっ!
梨花先輩は動じずに部屋から退散した。すごーい! 私も圭ちゃんも身動きできなかったよ。
「……じゃあみお、みぃたんはなにしにここにきたんだよ」
「えっとね、そう圭ちゃ、ううん圭一くんに英語を教えにきたんだよ」
確かTVアニメ版『もえたん』第一話ではこんな感じだったと梨花先輩がレクチャーしてくれた。
「あの、俺英語得意だから特に教えてもらえなくてもいいんだけど」
あ、そうだった。
圭ちゃんは東京の進学校に通っていて実際のところ、私よりぜんぜん頭がいいんだっけ。ってどうして私が圭ちゃんに英語を教えなきゃいけないわけ?
英語なんてぜんぜん判らないしー。
「えっと。じゃあじゃあ圭一くん。私に英語を教えて!!」
「…………魅音。お前何しに来たんだ?」
「みぃたんです」
とりあえず言い張った。
その時襖越しから梨花先輩の声が聞こえた。
「魅音!! お前の(・3・)で天を突けっ!!」
私は梨花先輩の言葉に素直に感動した。
「梨花ちゃん、普通にお前のこと魅音と呼んでいるぞ!」
「圭一くん、いな、圭ちゃん! 私はみぃたんだよ! それ以上でもないしそれ以下でもない! だから私に英語を教えなさい!!」
私はそう叫んだ。
圭ちゃんは面食らった顔をして、私にでもわかるような文法を教えてもらった。
「魅音! 本気で受験に合格する気あるのか?」
「みぃたんです!」
これ以上何もいわず圭ちゃんは頭をかきながら呆れた表情をしていた。
でも、私の隣には圭ちゃんがいる。
これってひょっとしてすごいことじゃない!? やだ、どうしよう。すごい緊張してきちゃった。
「あああ、あの圭ちゃん。ひとつききたいことがあるんだけど」
「ん。どうした?」
「圭ちゃん、好きな女の子っているのかな?」
途端、圭ちゃんは顔を赤らめた。すっごく紅潮していた。
そして圭ちゃんはコクンと首を頷いた。うそ、圭ちゃんが好きな女の子って誰なの!? 私聞きたくないよ!
とその時圭ちゃんは私のことを見た。
「えっ、それってわた……」そこで言葉を濁した。そういえば私は今みぃたんなんだ。「園崎魅音……?」
圭ちゃんはそれ以上何も言わなかったけどゆっくりと首を頷かせた。え? それって本当!? やだ! 私達両想いじゃない!
じゃあ私はここで返事をすれば晴れて。
「み、みぃたん。お前は魅音じゃ、ないよな?」
と、予想外の質問に私はとっさに。
「え、うん! 私みぃたんだよ! おじさんじゃないんだよ。あはははは」
棒読みの乾いた笑いをした。圭ちゃんも乾いた笑いをしていた。
なんだか微妙な雰囲気になって、その雰囲気をいい意味でも悪い意味でも壊したのは他でもない梨花先輩だった。
「魅音! 早く着替えて! もう夜の7時を回っちゃったじゃない! 早く家に帰って沙都子の手料理を食べなきゃいけないの!」
そうして梨花先輩は私の手を引っ張るように圭ちゃんの家を後にした。後に残ったのは圭ちゃんのあっけにとられた顔だった。
それから梨花先輩と別れて翌日。私はいつものとおり圭ちゃんとレナを待っていた。ただひとついつもと違うのは木陰に隠れた梨花先輩の存在。
程なくして圭ちゃんが来た。今日はレナと一緒ではない。
あの、圭ちゃん。
私は昨日のことを訊こうとする。
でも昨日の何を訊けばいいのだろう。
うーんと頭を抱えていると圭ちゃんのほうから口を開いた。
「あのさ魅音。昨日のことだけど」
「えっと、昨日って……」
「その、さ……み、みぃたんにあったらよろしくと言ってくれよ。また英語教えてやるからな」
「う、うん。判ったよ」
「そそ、それじゃあ先にいくからな」
駆け足で圭ちゃんは私の前かいなくなろうとする。
「待って!」私が言った。「圭ちゃん……その、好きな人だけど、その圭ちゃん……」
ああもう、どうして言葉が回らないのだろう。圭ちゃんは顔を赤らめてすぐにその場からいなくなった。
圭ちゃんがいなくなった途端木陰に隠れて一部始終見ていた梨花先輩が顔を出した。
「ま、初めてにしては上出来ね」
「梨花先輩」
私はほっと安堵した表情を浮かべた。梨花先輩もどこか嬉しそうな顔をしている。
刹那。
どかっ! と空気が切れた音が聞こえた。見るとそこには
「あはははは。レナがいない間になに話を進めているのかな、かな」
レナがいた。
「まさにこれは一難さってまた一難ね」
梨花先輩はそう言い切った。
どうやらこの物語はまだ始まったばかりみたい。
to みぃたん本編
みぃたん体験版
お前の(・3・)で天を衝けっ!!
「おねえ。キモいですよ」
妹、園崎詩音はグットモーニングの代わりに魅音ちゃん的結構傷つく言葉をもらった。
「うるさいなぁ。いきなりキモいって」
「だってお姉、その等身大圭ちゃん抱き枕に抱きついている姿はちょっと引きますよ」
「(#・3・)う、うるさいなぁ! 詩音だって等身大悟史抱き枕のほかに等身大ポップを部屋に飾ってあってキモいじゃなーい!」
そのとき詩音の嘘くさい笑みからくけけけけ笑いの詩音に変貌した。
「あ、詩音、それだけは!」
「くけけけけ。お姉、私を怒らしたら怖いことは知っていますよね。だから思いのまま陵辱したいと思います」
「いや、やめて! きゃ!!」
「いきますよお姉。今日は私が攻めますので」
そうして私は少し熟れた表情をしながら、必死に抵抗した。でもだめだった。
で私の足をこちょこちょする詩音の攻撃を耐えていた。
(・3・)あれ? なんか違う想像しちゃった人いる? まあそれはおいといておこう。
それから詩音は物音にビクついて先に家を出た。多分婆っちゃこと園崎お魎と会わないようにしたのだろう。
ともかく私はやっとはぁと深い溜息をついた。
とふと時計に目をやると……もうすぐ8時。
やっばっ!
私は布団から出てすぐに着替えを始めた。わーん。いつもはもうとっくに着替えをしている頃なのにっ!
詩音のばかぁ〜! と愚痴をいっても時間はまっててくれない。
ということで私は制服に着替えて腰あたりまですっと伸びている長髪をひとつに束ねてポニーテールにし、登校準備は完了。
本当は寝癖とかないのかじっくり鏡で確認したいところだけどそれどころじゃない。
私はいつもこの時間帯が胸をドキドキさせる。
だって、圭ちゃんと今日も会えるのだから。
圭ちゃんこと前原圭一はとにかく面白い男の子。なにが面白いってやることなすことがなんだかいいなぁって感じ。
だからいつの間にか私は圭ちゃんのことが好きになっていた。詩音に相談するとお姉もやっと好きな人ができましたかと嘲笑しながら言っていたっけ。
嘲笑することないじゃーん。
私は坂を下りていつも圭ちゃんと同じクラスメイトの竜宮レナと待ち合わせした交差点にいく。
二人はすでに待っていた。
私は男勝りの口調で圭ちゃんに下ネタを吹っかける。レナにレナパンされる。そんな登校の風景。
私は二人が話している姿を見て素直にうらやましいと思う。レナは同姓の私から見ても可愛い。変なものに過敏し反応しちゃうけどそれはご愛嬌としてもレナだったら圭ちゃんの隣にいてもなんら違和感がないなぁ。
でも私は圭ちゃんの隣にいても不釣合。圭ちゃんの隣にいることは、恥ずかしいな。
「ん。どうしたんだよ魅音? 俺の顔に何かついているのか?」
「ん。いや、今日の圭ちゃん、溜まっている顔をしているからさ昨日は右手使わなかったのかな〜と思って」
「だったら魅音が俺を慰めてくれy」
圭ちゃんがそこまで言おうとした刹那レナのパンチが炸裂する。私と圭ちゃん。星まで吹っ飛んだ。
「はぅ〜、魅ぃちゃんも圭一くんも何を言っているのか、レナ判らないな、ないな!」
顔を紅潮させながらレナは言った。って判るでしょ、レナ……。合唱。
話が飛ぶけど私は昭和59年受験をするのだが、まあ正直に言うとやる気がぜんぜんなくて今日も放課後知恵先生に呼び出しをくらった。補習とかいっていたけど受験しなくてもラクショーなところ受けるからいいもん。
知恵先生はとほほと口で言いながら困っていた。困り果ててカレー園の様子を見にいった。私はその隙にそそくさと学校を抜け出した。
帰宅道。私ははぁと深い溜息をついた。また今日も圭ちゃんと一緒に帰宅できなかったなぁ。最近圭ちゃん達と一緒にいられないな。
なんだかんだ言ってももうすぐ卒業か…。
圭ちゃんは私のことどう思っているのだろう。私は圭ちゃんのことが好き。
なにか手段ないかなぁ……。
私はそう想いながら、いつの間にか口に出しながらとぼとぼと歩いていた。
とそのとき。
「みー! ストップなのです!」
聞きなれた声が聞こえた。
「ストップザネイティングギャルなのです!」
「……梨花ちゃん?」
夕日をバックに佇んだ格好いい梨花ちゃんの姿がいた。
とそこでちっちっちと軽快な舌打ちをしていた。
「魅音、誰がちゃんなのよ!」
なぜか怒り口調に変貌していた。
違うの?
「魅ぃ、否魅音。私のことは『梨花先輩!!』と呼びなさい!!」
…………(;・3・)あれぇー。
「あの、梨花ちゃん。急にそんなこと言っても、ねぇ。それ今日の部活の罰ゲーム?」
「魅音、情けない。貴女は私の後輩なのに」
私の話、まったくスルー。
なんだか話が見えないのですが。
梨花ちゃんが私にしゃがむように指示した。仕方なく私はしゃがんだ。そのとき梨花ちゃんが『蘇れっ!!!』といいながら私の唇にぶちゅーとしてきた。よにするにふぁーすとキス。あれぇー?
と、刹那。
唇から脳裏が伝播する。
そう、私は梨花ちゃんの後輩だった。
あの『雛見沢停留所』。
そして私はある台詞を言わずにはいられなかった。
「ありありありありありありあり!! ありですよ! 梨花先輩!!」
私は梨花ちゃん、否梨花先輩と目と目で合図した。ちなみに唇にぶちゅーしたのは梨花先輩曰くノーカウントということで私達は合意した。
「で梨花先輩。私に何か御用ですか」
「魅音。圭一のことどうにかしたいと思っているでしょう?」
私は吃驚した。図星だった。どうして梨花先輩私の考えていることを知っているの?
「くすくすくすくす。魅音の考えていることはお見通しなのよ」
「す、すごーい! ありありありありあり、ありですよ梨花先輩!! では何か方法があるのですか」
梨花先輩は首をコクンと頷いた。
そして一言。
「魅音。魔法少女になるのですよ!!」
「…………」
「…………」
「…………」
「あの、ひとつ聞いてもいいですか、梨花先輩」
「何、魅音?」
「なぜ魔法少女なのですか?」
「このSSを雛物の魔法少女カテゴリーにいれるためによ」
えーと。梨花先輩、話の意図が見えないのですが。とここで梨花先輩は詳しく説明してくれた。私が普通に魔法少女した傑作SS『魔法少女ラジカル魅音シリーズ』というのがすでにあるらしく、それに対抗するために私を魔法少女につもりみたい。で私に対抗する私ってどういうことなの?
その時梨花先輩が私の双眸を凝視した。
「魅音。お前を信じるな。お前を信じる私を信じろ!」
「あ、あ、ありありありありあり! ありですよ! 梨花先輩!」
私は梨花先輩のことを信じることにした。というか信じなきゃいけないきがした。
ともかく私は魔法少女になったのである。
で魔法少女になったはいいけど変身ステッキとかお約束の変身バンクとか期待していたんだけど梨花先輩曰く予算的になく(予算ってなに?)園崎家直流の洋服屋で見繕うことにした。
私の髪の色と同じ緑のひらひらのついたスク水に黒ニィソにウサギの耳をつけた。
で名前はみぃたん。
「あ、あの梨花先輩すごく寒いんですけど」
「だらrー」
梨花先輩はよだれをたらしていた。お約束で一度はやっておかなきゃと言っていた。なんのお約束なの?
「さあ魅音は見事魔法少女になったけどなにか意見ない?」
「えっとなんで私なんですか? 容姿的にも声質的にも梨花先輩のほうが」
「何をたわけたことをいっていやがるのですかこの馬鹿弟子パーンチ!」
ドガっとすごい音がした。ようはパンチをするに見せかけて私の足を踏んだんだけど私はパンチされた気になっていた。
「梨花先輩。なぜ」
「魅音……私が魔法少女になるのは雛物でもそれ以外でも消費されているのよ。それにこれの元ネタである『もえたん』も私の声の人がやっているのよ! いい!? 普通な魔法少女SSじゃ誰も幻想郷をやってやれないのよ!!」
「なら梨花先輩、私はなにをすれば」
「魅音。その姿で圭一の家にいきなさい! もちろん玄関から堂々とね!」
「(;・3・)あのーそれって魔法少女ではないのでは」
「それでも私の後輩なのローキーック!!」
思いっきりすねにローが当たった。躊躇なし。さすが梨花先輩だなぁ。
「魅音。もうひとつ大切なことを教えてあげるわ。それはね、魅音が魔法少女と思っていれば周りなんて関係ないのですよ! つまり魅音の心の中に魔法少女があることが大前提なのよ!!!」
ガガーンと衝撃音が鼓膜に響いた。そんな風に聞こえた。
そして私は
「ありありありありありありありありありあり! ありですよ、梨花先輩!!」
そういいながら圭ちゃんの家に行った。
圭ちゃんはドン引きしていた。圭ちゃんのお父さんである伊知郎さんはアトリエに行こうと誘ってきたが圭ちゃんのお母さんである藍子さんに耳をつねられてどこかに連れて行った。後で聞くと十角館にいかされたらしい。
「お前、魅音だろ」
「みぃたんです」
「お前、魅音だろ」
「みぃたんです」
「じゃあ、なんで梨花ちゃんいるんだよ」
「…………」
梨花先輩は返答に困った。私はともかく梨花先輩は普段どおりの服。つまり何も変身していない。この場を梨花先輩はどう乗り切るのだろう。
「あ、それじゃあこれから先はみぃたんに任せるわね」
バンっ!
梨花先輩は動じずに部屋から退散した。すごーい! 私も圭ちゃんも身動きできなかったよ。
「……じゃあみお、みぃたんはなにしにここにきたんだよ」
「えっとね、そう圭ちゃ、ううん圭一くんに英語を教えにきたんだよ」
確かTVアニメ版『もえたん』第一話ではこんな感じだったと梨花先輩がレクチャーしてくれた。
「あの、俺英語得意だから特に教えてもらえなくてもいいんだけど」
あ、そうだった。
圭ちゃんは東京の進学校に通っていて実際のところ、私よりぜんぜん頭がいいんだっけ。ってどうして私が圭ちゃんに英語を教えなきゃいけないわけ?
英語なんてぜんぜん判らないしー。
「えっと。じゃあじゃあ圭一くん。私に英語を教えて!!」
「…………魅音。お前何しに来たんだ?」
「みぃたんです」
とりあえず言い張った。
その時襖越しから梨花先輩の声が聞こえた。
「魅音!! お前の(・3・)で天を突けっ!!」
私は梨花先輩の言葉に素直に感動した。
「梨花ちゃん、普通にお前のこと魅音と呼んでいるぞ!」
「圭一くん、いな、圭ちゃん! 私はみぃたんだよ! それ以上でもないしそれ以下でもない! だから私に英語を教えなさい!!」
私はそう叫んだ。
圭ちゃんは面食らった顔をして、私にでもわかるような文法を教えてもらった。
「魅音! 本気で受験に合格する気あるのか?」
「みぃたんです!」
これ以上何もいわず圭ちゃんは頭をかきながら呆れた表情をしていた。
でも、私の隣には圭ちゃんがいる。
これってひょっとしてすごいことじゃない!? やだ、どうしよう。すごい緊張してきちゃった。
「あああ、あの圭ちゃん。ひとつききたいことがあるんだけど」
「ん。どうした?」
「圭ちゃん、好きな女の子っているのかな?」
途端、圭ちゃんは顔を赤らめた。すっごく紅潮していた。
そして圭ちゃんはコクンと首を頷いた。うそ、圭ちゃんが好きな女の子って誰なの!? 私聞きたくないよ!
とその時圭ちゃんは私のことを見た。
「えっ、それってわた……」そこで言葉を濁した。そういえば私は今みぃたんなんだ。「園崎魅音……?」
圭ちゃんはそれ以上何も言わなかったけどゆっくりと首を頷かせた。え? それって本当!? やだ! 私達両想いじゃない!
じゃあ私はここで返事をすれば晴れて。
「み、みぃたん。お前は魅音じゃ、ないよな?」
と、予想外の質問に私はとっさに。
「え、うん! 私みぃたんだよ! おじさんじゃないんだよ。あはははは」
棒読みの乾いた笑いをした。圭ちゃんも乾いた笑いをしていた。
なんだか微妙な雰囲気になって、その雰囲気をいい意味でも悪い意味でも壊したのは他でもない梨花先輩だった。
「魅音! 早く着替えて! もう夜の7時を回っちゃったじゃない! 早く家に帰って沙都子の手料理を食べなきゃいけないの!」
そうして梨花先輩は私の手を引っ張るように圭ちゃんの家を後にした。後に残ったのは圭ちゃんのあっけにとられた顔だった。
それから梨花先輩と別れて翌日。私はいつものとおり圭ちゃんとレナを待っていた。ただひとついつもと違うのは木陰に隠れた梨花先輩の存在。
程なくして圭ちゃんが来た。今日はレナと一緒ではない。
あの、圭ちゃん。
私は昨日のことを訊こうとする。
でも昨日の何を訊けばいいのだろう。
うーんと頭を抱えていると圭ちゃんのほうから口を開いた。
「あのさ魅音。昨日のことだけど」
「えっと、昨日って……」
「その、さ……み、みぃたんにあったらよろしくと言ってくれよ。また英語教えてやるからな」
「う、うん。判ったよ」
「そそ、それじゃあ先にいくからな」
駆け足で圭ちゃんは私の前かいなくなろうとする。
「待って!」私が言った。「圭ちゃん……その、好きな人だけど、その圭ちゃん……」
ああもう、どうして言葉が回らないのだろう。圭ちゃんは顔を赤らめてすぐにその場からいなくなった。
圭ちゃんがいなくなった途端木陰に隠れて一部始終見ていた梨花先輩が顔を出した。
「ま、初めてにしては上出来ね」
「梨花先輩」
私はほっと安堵した表情を浮かべた。梨花先輩もどこか嬉しそうな顔をしている。
刹那。
どかっ! と空気が切れた音が聞こえた。見るとそこには
「あはははは。レナがいない間になに話を進めているのかな、かな」
レナがいた。
「まさにこれは一難さってまた一難ね」
梨花先輩はそう言い切った。
どうやらこの物語はまだ始まったばかりみたい。
to みぃたん本編
































